はじまりの森 05


パラレルワールド。シカマルの意見は間違ってないと思う。漫画の世界だってその紙面には世界がある。異世界、並行世界、パラレルワールド。“もし”の数に世界は存在してもおかしくない。否、今のこの状況は十分可笑しいけど、
パラレルワールド。それに、私の知っているNARUTOの世界じゃなさそう。


「それにしても、なんでこの女は俺たちのこと、里のことを知ってるんだ?」


どんな境遇でも明るいナルトと思ってたけど、本当は違うんだ。憧れていた人の裏を知り驚いたけど、更に好きになっちゃった。目の前のナルトの方が人間らしくて何倍も好き。


「知ってるよ?ナルトのこともシカマルのことも。でも、私の知ってるのは表のことだけ」

「なるほどな、ドベでイケてねー俺たちってわけだな」

「うん」


「じゃあ、変化は無意味だな」と、煙に包まれるナルトとシカマル。そこから現れたのは少年のよく紙面で見知った2人。幼さい顔に似合わず難しい表情をしている。二人とも額宛はしていないけど、黒い暗部のインナーを着て、2人の左肩には暗部である印の刺青。


「ところでなまえ、お前はこれからどうするのじゃ?」


そう問うのは三代目。その表情は穏やかで私への警戒を解いてくれた。しかし、正体のはっきりしない私は里にとって危険人物であることには変わりなくて。それに、これからって言われてもこの世界のことを知っているだけで当ても無ければ生きていく術もない。表情が自然と硬くなるのがわかった。


「ふむ、そうじゃななまえはナルトの家に住んでもらおう」

「「「え」」」


三代目の急な提案は三人のアホ面を作ってしまった。しかし、シカマルは三代目の意図を読み納得する。ナルトといえば心底めんどそうに眉間の皺を深くする。私といえば開いた口を塞げないでいた。初めに口を開いたのはもちもん、


「なんで俺ん家なんだよ!」

「ナルト、お前なら何かあればすぐに動けるし、夜目も効くじゃろう?」

「だからってなんで俺が得体のしれない女なんざ助けてやる義理はねぇ」

「そう言うなナルトよ」

「?」

「これは火影命令じゃ」

「っ!、、、御意」


そんなこんなでうずまき家に居候することになった私。すこぶる機嫌の悪いナルトの顔を恐る恐る見ると鬼の形相で睨まれました。


(ナルト、その眼だけで私死んじゃいそうだよ、、、)





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