憧れの世界 01


連れられたナルトの部屋は足の踏み場もないくらい荒れていた。ナルトは器用に足場を見つけて奥のベットに辿りつきベットの上の洗濯物や本を床に掃けていく。


「ナ、ルト?」

「なまえここな」

「え、ベットはナルト使って!悪いよ、」

「…じゃあ、なまえは何処に寝るんだ?」


「…」床を見渡す私。確かにつま先歩きでしか移動できないこの部屋には寝れそうな場所は見当たらない。でも、家主を差し置いて寝るなんて非常識なことできない。


「うっせ、寝ろ」


乱暴に投げられたベットは埃っぽくて眉をしかめる。ナルトを見れば床のゴミ?を掃けて場所を確保し何処から出したのか毛布一つを身に纏い寝る体制。


「寝たの、ナルト?」


返事のないナルト。寝息が聞こえるから寝たんだろうけど。座った状態で寝ているから絶対疲れなんてとれないよね?ごめんなさい。

憧れていた世界だけど不安でなかなか寝れない。今日は色んなことが突然起こりすぎた。紙の上での世界が目の前の現実となり、憧れていたナルトが目の前で動いている。でも、私の知らない世界。
来たかった世界。だけど、


(不安だよ…)
(…)



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