敵の企みに対抗するのは狐と鹿 02


「だめ、危ない!!!」

「!」

「きゃあああぁぁぁぁ!!!」

「なまえ!!!!!」


敵を振り払いナルトに斬りかかる敵の前に飛び出した。振り下ろされた忍刀は私の肩から腹部にかけて大きく傷をつくる。斬られた部分はズキズキと焼き付けるように熱く、熱く自由の利かない身体は地に墜ちてゆく。襲ってくるであろう衝撃を覚悟し目を瞑るが私は温かいナルトに受け止められていた。


「な、ると…」

「馬鹿!何してんだ!…ってか、どーなってやがる!」

「弧空、秘術だろう」

「あぁ、ッチ。見えねーとなると厄介だな。鹿鳴!なまえに医療忍術」

「御意」


ナルトは私をシカマルに預けて周囲を警戒している。私はシカマルのチャクラに包まれて治療を受ける。


「……ぅ、…」

「わりーな、荒療治になる」

「ぅぅん、大丈夫。ありがとう……それより私には見えている!早く、ナ…弧空に伝えなきゃ」

「本当か!…ちょっと待て。………よし。無理はするなよ」


シカマルに支えられながら私はナルトを狙う敵を睨みつける。ナルトは見えない敵以外を倒しており残りは見えない敵一人。ナルトは足音のみで敵と対峙しているようで状況はあまり良くなかった。


「弧空!!!四時の方向!約50m!」

「!お前!!」


驚いた様子のナルトだが直ぐにアクションを起こす。しかし、紙一重で躱される。


「上!!!もっと」

「八時の方向直ぐ!」

「後ろ!」

「そのまま真っ直ぐ!!!」


段々とヒットしだした攻撃に敵の動きが鈍くなり更に攻撃は当たるようになる。
ついに力尽きたのか透明化できなくなった敵が姿を現した様子。


「透明化は終わりか?」

「っくそ、」

「お前の透明化は幻術の類だな。だから、なまえには効かなかった」

「本当に面妖な嬢ちゃんよ」

「覚悟するんだな!風遁 疾風衝」

「ぐはっ!!!!」


凄まじい風のチャクラが敵を貫く。敵はボロボロでナルトの強さが分かる。
ヒューヒューと呼吸の苦しそうな敵。まだ、息のある敵にナルトはクナイを取り出す。
ナルトがシカマルに目配せし、私の視界はシカマルによって遮られる。


「俺たちだけじゃねー。お前の存在はあっちゃいけねー…グハ、いつか…後、か…い、する……」


最後の敵の言葉が私を締め付ける

自分が異分子であると更に自覚した

私はそのまま意識を手放した



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