敵の企みに対抗するのは狐と鹿


「?」


買い物から帰って部屋に帰る為に階段を昇る。だけど、昇った視界はゆらりと歪み違和感を感じる。その瞬間痛みに襲われ私は意識を手放した。


◇◇◇


火影に呼び出されたナルトとシカマル。険しい表情の三代目は直ぐになまえが攫われたことを伝え奪還を命じた。なまえを攫たのはまだ謎の多い新興の里、音忍による犯行であることが分かっている。


◇◇◇


もう長い時間歩かされている。里を遠く離れ森に入り獣道は体力をどんどん奪っていく。声を出す力も泣く力も残っていない。腕は背中できつく結ばれ上半身はさらにロープで巻きつけられている。圧迫されて息も苦しい。もう、駄目かもしれない。チャクラのない私は誰にも気づかれることなくこの人たちに殺されてしまうのかもしれない。


「ったく、面妖な嬢ちゃんだな」

「全くだ。チャクラがないから幻術にもかかりゃしねー。面倒なや、!ぐはっ」

「!ダクっ…くっそ」

「…お、お前は!!!」


敵は倒れた味方の名を呼び距離を置く。その時、雲にかかっていた月が照らしだす。月光に照らされた狐と鹿を見つけて叫ぶ。


「お前は!!木の葉の暗部総隊長弧空!!それと、副隊長鹿鳴!!」

「へぇ、新興の里でもちゃんと知ってるんだな」

「なんでここに!」  

「さて、返してもらおう」

「ククク、」

「?!」

「だめ、危ない!!!」

「!」

「きゃあああぁぁぁぁ!!!」


焼き付けるように熱く、熱く
自由の利かない身体は地に墜ちてゆく


(なまえ!!!!!)



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