「孤独」という名の地獄


「ナールト♪」

「はぁ!なまえ?!」


驚きすぎて素のナルト。ナルトが驚くのも無理はない。ここは忍者になる為の育成所、忍者学校<アカデミー>。少年、少女は突然登場した私に興味深々という様子で群がり質問攻めしている。
群がる子たちの向こうには呆れ顔のナルトとシカマル。だって、一回くらいアカデミーに来たかった。それに、小さなサスケやサクラたちに会いたかったのも本音。うん。まだ純粋で可愛い。たまに尖がった子もいらっしゃるけど、


「なまえってば何しに来たんだよ」


私がナルトの名前を呼んでしまったため表のナルトは無視することはできず群がる子たちをかき分け私に尋ねる。うん。計算通り。


「一緒に帰ろ!ナルト」

「「えーぇぇええええ!!!!」」


途端騒ぎ出す子供たち。私は驚き身体が跳ねてしまう。


「ちょ、ナルト説明しなさいよ」

「そーよ。この子とどういう関係なの??」


一応、私の素性は機密事項。私はこうなることも粗方予想していた。多感なお年頃の子たちはなんでも興味深々。だけど、子どもだから素直な部分もある。


「私、みょうじなまえ。ナルトの遠い遠い親戚で今、里にお邪魔しているの。滞在期間は未定だけどよかったらよろしくね」


私がさもそうです。って表情で噛まずに一気に説明すると納得していく子どもたち。「なんだー」「親戚か」「どこから来たの?」などなど。


「ふーん。私、山中いの。よろしくね、なまえ。でこっちの子が春野サクラよ」

「よろしくね」

「で、あのちょん髷が奈良シカマル。その隣でお菓子食べてるのが秋道チョウジ。」

「ども」

「よろしくねー」


流石シカマル。さも初対面ですって態度に感心しちゃう。それにしても表は拍車をかけたようにめんどくさそう。


「で、あのカッコいい人がうちはサスケ君!」

「ふんっ」


鼻で笑っただけで飛ぶ黄色い声。…なるほど凄い。


「で、頬っぺた赤いのが犬塚キバで抱えているわんこは赤丸。」

「へへっ」

「キャンキャン」

「で、大方紹介は終わったかしら」

「俺を忘れている。油目シノだ。そんなに俺は影が薄いか」

「めんどくさいわね。あんた、」

「わ、私もだから大丈夫だよシノ君。私、日向ヒナタ。よろしくねなまえちゃん」

「もう皆帰るってばよ!!!群がりすぎだってば!!」

「あんたが原因でしょ?…ま、確かに今日は課題も出たし早く帰らなきゃね。また、遊びましょなまえ。」

「あ、うん。」


◇◇◇


「何で来た」

「…寂しかったから?」

「ったく」

「それに」

「ナルトの世界を見たかったの」

「…くだらねー」


ぶつくさ言いながらも一緒に歩いてくれるナルト。帰路途中である商店街を抜ける時の大人の目に。心配してそうっとナルトを見ればいつも真っ直ぐ前を見ている視線は下に下がっている。


「ナルト」

「前にも言っただろ。それに、」

「…」

「孤独は慣れっこだ」









「馬鹿!私がいるじゃない!」

「…馬鹿だろ」


(少しづつ世界は変わっていく)


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