お節介は嫌われる


なまえが来てからというもの俺の生活は一変した。食事に生活ペース、なによりも家に誰かが四六時中居るっていうのが生まれて初めての俺にとって違和感でしかない。はっきり言ってペースを乱されるのは邪魔。じいちゃんにも何度も言ったが「火影命令」の一点張り。


◇◇◇


「…ここにあった禁術の書、」

「あ、これ?ナルト」

「違う…お前の足で踏んでいるやつだ」

「あ、ごめん」


って、具合に俺の仕事を邪魔するし勝手に自分のスペースを確保するもんだから意味のあって置いている書類などはなまえによって移動され更に作業は遅れる。それに禁術に限ってはシカマルも俺の部屋で見るためシカマルも困っている状態。


「っくそ、」

「荒れてんな弧空」

「今はナルトだ!!」

「へいへい、」


シカマルは「小さな母ちゃんみてー」なんて言っているが母親のいない俺にとっては煩い女でしかない。


「あれ、ナルトお前最近背伸びた?」

「そうか?」


平均に比べて背の低い俺。変化状態の方が生活の軸のため今まで特に気にしたことなかったが成長期に入り周囲との差は開くばかりであった。


「だと、思うぜ?顔色もいいし。なまえの飯のおかげじゃねーか?」

「んなわけあるか。成長期だ」


話を切るが確かに最近身体の調子がいい。妙に身体が軽いというか、疲れが取れやすくなった。ちらりと、部屋の片づけを続けているなまえを見ればニコリと笑顔で手をひらひらしている。馬鹿だろあいつ。


◇◇◇


「ナルトお茶飲む?」

「…あぁ」


ことり、とテーブルに置かれたお茶。いい香りが漂う。よく考えればなまえが来る前はテーブルにお茶を置くスペースなんてなかった。知らない間に棚が部屋に増え俺たちが仕事で使う書類などが詰め込まれている。禁術書をあんなにして…、


「おい」

「ん?」

「勝手に書類触んな」

「…だって、足場ないよ」

「なまえの勝手だろ?俺もシカマルも迷惑してんだよ」

「…ごめんなさい」

「それに、俺に必要以上に関わるな。俺もお前に関わらねーから」

「!いやっ」


しょんぼり顔で反省モードだったなまえは突然に立ち上がり勢いよく立ち上がり俺を睨みつける。なんだ?別に可笑しなことなんて言ってねー


「他人は他人だろ?お互い干渉しないっていう普通のルールだ」

「…他人?」

「…?他人だろ、」

「……ばかナルト」

「あ"?…!」


苛立って見たなまえは泣いていた。人との関わりなんて極端に少ない俺はなまえが泣いている理由も掛ける言葉も知らない。つか、何でこんなこと考えてんだって自分に腹が立つ!


「他人じゃない。…確かに血は繋がってないけど縁があって私はナルトそれにシカマルに出会った。私はこの縁は大切にしたいってここに来た時に決めたの!!」

「意味わかんねー。勝手に言ってろ!」



(奇跡、運命なんて存在しない)
(今ここに生きているそれこそがもう奇跡で運命なんだから)
(生きてきた軌跡は必然に変わっていくんだから)



back