クリスマス、まだまだ子どもだもん
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師走。その由来は僧侶(師は、僧侶の意)が仏事で走り回る忙しさ(平安後期編『色葉字類抄』)からという平安期からの説がある(wikipediaより)。その師走も月半ばになり屯所内でも毎年恒例の大掃除が開催された。私はいつも以上に気合をいれてこの掃除に取り組まなければならない!!
「さぁ!私たちは会議室と休憩室!さ!沖田さん頑張りましょう!!」
「……なんで、そんな張り切ってるんでィ、」
「ふふん♪いい子にしなきゃです」
ぱたぱたとハタキで障子の淵の埃を落とす。沖田さんはぶつくさ言いながらも机の拭き掃除。机の上に乗っているのは…見なかったことにしておこう。
「みょうじ雑巾絞ってくだせェ」
「も〜沖田さんの方がしっかり絞れるんですから頑張ってください」
「寒いのになんで水に手晒さなきゃいけねーんですかィ」
「…寒いのは私も一緒です。……もう、仕方ないですね」
ハタキをバケツの隣に置き沖田さんから受け取った雑巾をバケツの水で濯ぐ。バケツの水は少し汚れ、雑巾は少し白さを取り戻す。ぎゅっと雑巾を3回絞り水が出てこないのを確認し。広げて半分に折り沖田さんに手渡す。
「はい、沖田さん。あと少しです!がんばりましょ!」
「……ぉぅ、」
◇◇◇
「どうだー進んでるか?」
「土方さん!はい!」
「…土方さん、みょうじのヤローどうなってるんですかィ?」
「ふぅ…そうか、総悟は年末の大掃除みょうじとはじめてか」
煙草の煙をひと吐きし総悟に話しだした土方。なまえは鼻歌まじりに休むことなく掃除を続けている。
「総悟。サンタっていつまで信じてた?」
「あ?なんでィ。姉貴しかいなかったしそんな金もなかったクリスマスなんて知りもしない生活だったんでねェ」
「俺もだ」
「?」
「なまえは信じてるのさ。いい子にしてたらプレゼント貰えるってな」
「は?いい歳して…てか、プレゼントって」
「近藤さんも過保護だよな」
「毎年ですかィ?」
「毎年だ」
「「はぁ…」」
◇◇◇
「近藤さん、いつまでサンタ続ける気だ」
「なんだ、トシ。プレゼントでも欲しいのか?」
「違うわ!!…なまえだよ。もう、要らねーんじゃねーのか?」
「俺はなまえちゃんが大人になってもサンタであり続けるさ」
「……」
◇◇◇
今日は待ちに待ったクリスマスイブ。今年も頑張ってお仕事したし、お手伝いも頑張った。ちょっと土方さんに怒られたこともあるけど、あれは、沖田さんのせいだもんね!
「沖田さん!」
「あ?」
「今日一緒に不寝番してくださいませんか?」
「は?」
不寝番。 一晩中寝ないで番をすることで緊急事のために常に隊士は誰かがこの不寝番をしなければならない。だけど、私が今言っている不寝番はそんな物騒な話ではない。
「私ね、どーしてもサンタさんに直接お礼言いたいんです!……でも、毎年毎年頑張って起きとこうと思うだけど寝ちゃうんです」
「…馬鹿でィ」
◇◇◇
「へへっ。何だか修学旅行みたいですね」
「…この世界、修学旅行あるんですかィ?てか、修学旅行で男女同じ布団って謹慎とかくらうんじゃねーですかィ?」
「ふふ、かもですね」
「…みょうじ、俺寝ても…って寝てる、」
「……くぅ、すー…すー…」
(なにこれ、総悟。なまえちゃんの布団になんで総悟が)
(不寝番ですよ)
(何の???)
(近藤さん、俺のは?)
(あ、これ)
(〜♪)