子どもは親をみている

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翌日、私と沖田さんは勇大の両親を探すためにかぶき町を歩いていた。今朝、起きた勇大は一日経って落ち着いたのか「母様と父様に会うんだ」と話し出した。親に様をつけている様子から良いとこの家だろうと予測を立てた土方さんの助言によってここかぶき町でも高級旅館、高級呉服屋などが並ぶ高級住宅地に向かっていた。


「…沖田さん私、場違いな気がしてきました」

「…心なしかおばさんらこっち見てねーですかィ?」

「沖田さん〜口の利き方に気を付けてください!!ほら!めっちゃ睨んでる!睨んでるから!」


そんな、私たちを置いてスタスタと歩いていく勇大。…うん。あの堂々たる姿は間違いない。どうしよう大変なことを引き受けてしまったのかもしれない。
となりの沖田さんを見ればなんとも情けない顔。


「いつものSはどうしたんですか!」

「Sだから打たれ弱いんでィ……おい、勇大。まさか」


急に立ち止まった沖田さんの視線の先には高級住宅地でも更に一際大きな屋敷の前で立ち止まっている勇大。


「沖田さん」

「……」

「……」


(うそ)
(…)
(沖田さん、私、心折れそうです)
(…)
(なに、自分だけ帰ろうとしてるんですか!!)


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