05 真実の下






「シカマル…」


雲がよく見えるシカマルの昔からの特等席。珍しく浮かない表情のナルトがいた。


「…なんだ?」

「俺ってば皆に笑ってほしいんだってばよ」


ナルトは昔から真っ直ぐ物事をいう。まぁ、言葉を知らねえってだけなんだがな。だから、俺がいるんだがな。


「で、」

「俺、婚約の話…」

「明後日」

「!」

「お茶会っていう名目で会うことになっている」

「…」

「ちゃんとお前の口から伝えてみろ、相手は悪い奴じゃねーよ」

「!っ、ありがとうだってばよ、シカマル」


「ったく、しょーがねーやつ」


(ったく、らしくねーな)
(めんどくさがり屋の俺が)