04 太陽の下






ナルトは久しぶりに同期の仲間と集まる予定であった。が、そこにナルトの姿はなくそれを伝えたシカマルもやるせない気持ちを隠そうとはせず苛立ったように頭をガシガシとかく。ナルトのいない同期が集まる焼肉Q。


「シカマルさん?」

「…なまえだっけか?」

「はい、あ…すみません」


集まっているシカマル達に気づき謝るなまえ。直ぐに、チョウジは人当たりのいい笑顔を見せて言う。


「焼肉は大勢で食べたほうが美味しんだよ?」


相変わらず親友はお人よしだ。


◇◇◇


なまえが馴染むのに時間はかからなった。元々お調子者の集まりである。そんななまえを横見してビールを飲むシカマル。


「やっぱりシカマルは優しいね」

「あ?」

「なまえが慣れるまで見守ってる」

「!」


敵わねぇな、チョウジより優しい奴はそうそう居ないと俺は思っている。


「あの…シカマルさん」

「なまえ」

「あの、前回はありがとうございました。」

「いや、俺も途中で帰っちまったし」

「いえ、助かりました。それに、あの後ある人に出会ってお勧めスポットも教えてもらえましたし」


にこにこと以前は見られなかったなまえの笑顔。だいぶ、木の葉の生活にも慣れたってことだろうか。


「それは良かったな、そのお勧めスポットつーのは何処だったんだ?」

「はい、“一楽”っていうラーメン屋さんなんです」

「は?」

「え?」


俺は当然呆然としてしまう。“一楽”をお勧めスポットなんて言って案内する奴はこの里には一人しかいない。ナルトの奴何やってんだ…!


「あの…シカマルさん?」

「あ…わり、そいつナルトだろ?」

「え、はい!なんでわかったんですか?」


そりゃ分るよ。
それから暫くお勧めスポットがラーメン屋というアホの話になった。


「あなたはナルト君のなんなんですか?ナルト君は結婚するんですよ」

「おいおい」


シカマルとなまえの会話を聞いていたらしいヒナタが、珍しく声を荒げる。ナルトの婚姻のことは皆が知っていることであり、幼い頃から思いを寄せていたヒナタにとって悲しく辛い知らせであった。


「大丈夫。私も決まっているから…それに、私には選択肢なんてないから」


(皆、悲しい)
(幸せになりたいだけなのに)
(どうしてこうなってしまったのだろう…)