青い春を壊して
「靖友、だいすき」
同い年の幼馴染である彼に初めて想いを告げたのはランドセルを背負っている頃だったか。
「バァカ、お前なんて好きじゃねェ!」
と、彼に言われたことは幼心にも大きなダメージを負ったことを覚えている。
それから数年、彼と私は中学に進学した。
野球部で活躍する彼と写真部に入った地味な私は幼馴染という繋がりがなければ恐らく話すこともなかっただろう。
「お前なんて好きじゃねェ」なんて吐き捨てるようなキャラではなくなって、恐らく今私が告白をしたら丁重にお断りをされてしまうだろうなと思いながら、いつもフェンス越しに彼のユニホーム姿を眺めたり、彼の試合に足を運んではファインダー越しに彼の勇姿を見つめた。
相変わらず家は隣で、朝顔を合わせれば「おはよ」と声をかけてくれて、一緒に登校する。
私の彼への想いは宝箱にしまって鍵をかけて、心の奥底に沈めておいた。
***
そんな私たちの関係が変わったのは中学二年生の夏。
靖友は大事な試合の前に肘を壊してしまった。
同じ野球部の部員たちの態度には私も大層腹が立ち、思わず廊下で彼らが話しているところに入り込んで文句を言ってしまったこともある。
野球を諦めた靖友はとてつもない速度で荒れていった。
「靖友、これプリント。明日の朝迎えに来るね」
「ッセ、もう俺に構うな、それから野球部のヤツらに文句言ったってェ?そういうのもウゼーからやめろ」
ああ、丁重に私の告白をお断りしそうな彼はいなくなって、お前なんか好きじゃねェ、なんかよりも酷い言葉で私を拒絶しそうな靖友が現れたなぁ、とこれからどうするのかよくわからない幼馴染の元へ懲りずに毎日、プリントやらお菓子やらを持って訪れていた。
「なァ」
「なに?」
「名、俺のこと好きだろ」
「は?」
「こっち来いよ」
中学3年の夏に差し掛かったある日、相変わらずな彼はベッドに腰掛け私に自分のことを好きなのだろう、と問う。何が起こったか分からない。それは一瞬の出来事で気がついたら私の手首は靖友の手によってベッドに押し付けられ、目の前には靖友の顔と天井という景色が広がっていた。
「なにす…っ」
そのまま乱暴に私の大切に秘めていたファーストキスを奪われ、されるがまま靖友の手によってシャツのボタンが外されていく。
首にだらしなく巻きついたままのリボンと靴下と乱れたスカートから覗く最近新しく買った大人っぽいショーツが体に残り、胸を覆い隠していたシャツや下着は彼の手によって外されてしまった。
「やめ…」
私が制止の言葉を発する度にキスで口を塞ぎながら、彼は慣れないながらも荒っぽい手つきで私の身体を弄る。
「や、すとも…待ってお願い…」
「構うなって言ったのに構い続けるお前が悪い」
気がつけば彼の指に侵食された私のソコは彼からの刺激に従順に反応して。
「無理矢理されてンのに、濡らしてんじゃねェよ」
そう言って彼は私の初めてを奪った。