▼新実写@
「エッグハント…?」

「yes!今日はイースターだからね!」

ミケランジェロさんが今にも飛びはねそうな勢いで私の背中にぐるんと回り込む。そのテンションに若干引きながら、私は考え込みながら首を傾げた。

エッグハント、たまご狩り…?この時期だからイースター関係なんだろうけど、そもそも私はこっちに来てからそういった行事に参加した記憶が一度もない。ミケランジェロさんのハイテンションに私がちっともついていけてないことに気づいてくれたのか、たくさんのモニターの前でキーボードを弄っていたドナテロさんが不思議そうにこちらを振り向いて紫の眼鏡を押し上げた。

「もしかしてイースター知らないの?」

「イースターは知ってますよ。復活祭ですよね」

「いや、エッグハントのこと知らねえんじゃねーのか?」

「日本にはそういったイベントないのか?」

「ない、と思います。少なくとも日本の実家ではやりませんでした」

大きな身体が4つ揺れた気がした。揃って顔を見合わせ首を傾げる。ドナテロさんが突然何やらキーボードを叩きはじめ、ミケランジェロさんが私の隣にちょこんと腰掛けた。「じゃあ日本のパーティーはなにやんの?」「パーティーはやらないけど、お祭りとか。んー、オミコシ担ぎます」「オミコシ!なにそれ!」はしゃぐミケランジェロさんに説明しようとした口は、目の前から当人が退かされたことによって意味を無くした。
見上げたたくさんの画面の一角には、なにやら英語の羅列。ドナテロさんが「これ説明だけど見える?」と聞いてきた。見えるけど…今さら文字読むのは苦手だなんて言えない。曖昧に返事をすると、一緒に画面を覗きこんでいたレオナルドさんが「じゃあ」と口を開いた。

「実際にやってみるのが一番だと思わないか?」

「イエーイ!僕やりたい!」

「え?わざわざやらなくてもいいですよ?」

「お前が嫌っつってもこの2人がやるっつったらやるハメになんだよ」

「…そういう力関係なんですね」

「どちらかというと後々面倒だからなにも言わないってだけだけどね」

兄弟ってそういうものなんですねーと頷いていたら、ひとりで納得してんなと笑ったラファエロさんに頭を小突かれた。その小突きが案外ダメージになるってことは無自覚らしい。
どこからか引っ張り出したプラスチック状のたまごに言われるがままお菓子やらコインやら詰め込みながら、再び頭を捻った。

エッグハントのたまごって、ダチョウのたまごなのかな。すぐ見つけられそう。

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