07-2
「おはよー。」
次々に登校してくる生徒たちと挨拶を交わす。
いつもと変わらない朝の始まりだ。
昨日はあのあと慌てて香穂ちゃんを追ったが、教室についたときには時すでに遅し。
リリの姿はどこにもなく、ただ教室に入ったすぐのところで香穂ちゃんが力なく座り込んでいた。
声をかけようとしたら、森の広場にあるカリヨンが盛大に鳴り響いて教室は騒然となった。
この手の噂に強い美緒ちゃんによると、どうやら学内コンクールの開催の合図だそうだ。
噂が正しいかどうかはわからないが、これは一度リリに問いただす必要がある。
そう判断した私は、放課後リリを探したが、どこにも見あたらない。
一昨日までは、どこからともなく、予告なしに現れていたのに。
なんで会いたいときに一向に姿を見せないんだ、あの子は。
「今日こそとっつかまえて問い詰めてやる。」
そう息巻いてガッツポーズをしていた私に突然、直ちゃんが話しかけてきた。
「んぁ?おはよー、な……」
「のん気に挨拶してる場合じゃないって!!」
朝はいつもテンション低めな直ちゃんが、今日はやけに鼻息があらい。
「どうしたの?朝から。」
「いいから黙ってついてくる!!」
というか、怖い。
鬼気迫るって感じなんですけど……
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