06-1









初めての出会いは、うちでニコルとアンサンブルしていたとき。

突然ニコルが演奏をやめて扉を見つめるから、何かと思って振り返ったら蓮くんがいた。

扉のところから動かないから、二人で引っ張ってきてお互い自己紹介した。
その後は三人で一緒にアンサンブルしたよね。


たくさんの曲を。
何回も何回も。


あれから長いこと会っていなかった。





再会したのは3年前。

バイオリンを弾かなくなったことを告げたら、少し残念そうな顔をしていたっけ。


それからは、バイオリンのことについてふれないでいてくれる。


ニコルが亡くなったことは知っている。
でも、それが原因で弾けないことは説明していない。

だけど、たぶん知ってるんだと思う。
だから何も聞かないでいてくれるんだ、って思う。

もともと他人に干渉することもされることも嫌う蓮くんの性格もあるのだろうけど。





あのね、蓮くん。

そろそろ私、変わってみようと思う。



またバイオリンを弾くようになったら、蓮くんは一体どんな顔をしてくれるかな?








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