04-2





「ただいまかえりました!」



家の中にはお昼ごはんのいい匂いが漂う。
今日のお昼はパスタだな。
この匂いは…カルボナーラだ!!



着替えてダイニングへと向かうと、お世話になっているおうちのおばさまとその息子が座っていた。


「お帰りなさい、花梨ちゃん。」
「すみません、遅くなってしまって…」
「ふふ、いいのよ。私も今し方家に戻ってきたばかりだもの。」



この人は月森美沙さん。
ピアニストで、世界中で演奏活動をしている。
日本にいる時間より、海外に滞在している時間の方が長いくらいの人だ。
今はちょうど日本で演奏会があったばかりのため、こちらに滞在している。
午前中は出掛けると言っていたから、少し前に帰ってきたんだろう。



「遅かったんだな。下校時間は同じくらいだったようだが…」
「うん、ちょっと先生に捕まっちゃって…挙げ句の果てに変なの見ちゃったしね。」
「変…なの?」
「あ、いや、こっちの話。蓮くんは早かったんでしょ。ごめんね、待たせちゃって…」
「いや、気にすることはない。」



この人は月森蓮くん。
星奏学院音楽科2年で、バイオリン専攻。
演奏技術も表現力も完璧な、我が校期待のエース様と言われている。
本人は周りの評価なんて関係ない、とかいってるけど。
かなりの努力家で、さっきも練習していたようだ。
食事前に練習時間がとれてよかったから気にするな、だってさ。








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