今の君の音楽は、君の音であって君の音色ではないんだ。
それが理由。
単純なようで、単純でない。
気づくのには時間がかかる。
気づかないまま一生を終えるかもしれない。
気づいたとしても、そう簡単に解決できるような問題ではないんだ。
でも君には気づいてほしい。
そして乗り越えてほしい。
今君は何を想って弾いてるの?
何のために弾いてるの?
「私たちね、みんなに私たちの音楽を聞いてほしいの。それでね、みんなに幸せになってもらいたいの!」
今でも覚えてる、君たちの希望に満ちたその声を。
「私………もう弾けない。弾けないの。」
今でも覚えてる、君の失意に沈んだその顔を。
お願い。
思い出して、君の音色を。
僕は、君の音色に宿るファータ。
僕は、いつでも君の音色とともにあるから…
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