02-2





「うっわ〜、キレイ!!」



現在地、音楽科棟の裏。

私は満開に咲き誇る桜を見上げて、思わず感嘆の声をあげた。

うん、やっぱり来てみて正解だったかも。



ここ、星奏学院音楽科棟は別名桜館と呼ばれる程ちょっとした桜の名所だ。

薄いピンクにさらに白を混ぜたような淡い色の花びらが、時折吹く風によって舞っている。



せっかく遠回りしてここまできたのだからもうちょっと桜を楽しもう、と思い座れそうな場所を探す。



「う〜ん、地べたはちょっとなぁ…」



こういうとき、音楽科の制服を羨ましく思う。
普通科の白いスカートは、座る場所を選ばなきゃ汚れてしまうからだ。



「見ぃつけた!」



座るのに手頃な場所を見つけ、鼻歌まじりに歩き始めるのと、私の視界にそれまで見えていた桜の花びらと全く違ったものが突然横切ったのは、ほぼ同時だった。








- 12 -


≪PREV NEXT≫


12/77


[top]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -