俺に繋げてくれ





「うおおおおお!スガさーん!!」

3時までの授業も終わり、部活したさに教室から飛び出して来た陽。
菅原の姿を見かけ、大声で後ろから突進する。
すると菅原は、「慣れました」とでも言うように平然と自分の身をカバンでガードする。

「スガさんこんちわ!!」
「はい、どうどうどう!烏野のティラノサウルス!」
「ティラノサウルスに見えます?カッコイイなぁ!ガオオオウ!」
「まあ見える見える」
「なははーん」

「そいえば昨日いなかったね。病院?」
「はい!ご名答!もうヨロイとれましたよ!見て見て!」
「ギプスね。
ホント?あ、ホントだ。治りが早いなぁ、相変わらず」
「ハイ!プロテイン飲んでるんで!早いんです!骨のコネクトが!コネクト、オン!ってふうに!」
「うーん、超人ってこと以外 分かんない」

「あ、そういえばさぁ、」
「ハイ?」
「陽が休んでるあいだに1年生来たんだよねぇ。しかも、めっちゃ強い」
「まじすか!会いたい!今日ってまだ仮入部期間中ですよね!来ます?」
「いやぁ、どうだろ」
「なんで?」
「明日は陽がいるから来んなって言っといた」
「ええ!?ひどいスガさん!」
「ううん、ホントは違うよ」
「あ、良かったー。
で、なんで来ないんすか?家の用事?」
「ううん。1年同士で喧嘩しちゃってて。2人たもクセがすごいって言うか、問題アリでさぁ。根はいい子なんだけどね」
「あーいますよねぇ、そういうクセがすごいヤツ」
「まさに陽みたいなヤツね」

「仕方ない!オレが世話焼いてあげますよ!」
「まず自分をどうにかしなさい」
「スガさん手厳しい!」

「で、どういう奴なんです?」

「うん。そいつと組むくらいならスパイクもトスもレシーブも一人でやればいいとか言う子と、」

















「聞いてくれゆう!昨日試合やったんだけどよ!

王様みたいなセッターと、小さいのにすっげぇギュンギュンスパイク決める子がいるんだよ!
龍はドカスコ!こう、やって!パワー全開って感じじゃん?
だけど、アイツらはなんか違う!空間を支配すんだよ!俺にも分かった!超絶コンビの誕生だぜ!

俺にトス、持ってこい!だってさぁ!カッコよかったなぁー」

「へぇ」
「なぁ、ノヤ。早く復帰してくれよ。もうすぐ解けるだろ?部停」
「まあ。陽は?」
「俺はもうすぐだ!」
「そーかよ」

「頼むよ夕。

一緒に体育館借りバレーすんのも楽しかった。2人でバレーする分にはそれも楽しいんだろ。
けどよ、やっぱり烏野じゃないとダメなんだ。

もう1回、俺に繋げてくれよ」


「___それが、」
「あ?」




「それが旭さんから聞けたら、

俺はあそこに戻る」





29.8.25
29.11.12 改訂

[ 4/38 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -