木兎光太郎

「前から目で追ってたけど、気づいたら好きになってました!付き合ってくれませんか!」

「前から頭で苦手なのはわかってたけど、気づいたら赤点とってました。


___これから補習なんで。
でももう練習試合は始まってるんで。



どいてくれませんか!!!!」

「北来君、酷すぎるよ!この子だってアンタのこと、ずっと好きで__」

「俺も好きです(バレーボール)。
今すぐヤリたいです(バレーボール)。

けど今は!補習行っていいすか!!!」

「え!やりたいだなんて!そんな、は、早すぎるよ!」
「は!?北来キモイ!!」


「いいからっ____

早く触らせろぉぉぉぉぉおおお!!!!(ボールを)」











バレー部 東京遠征 前日 【テスト返し】

「日向?英語自信あったんじゃないの?」
「終了間際に解答欄が一個ずれてたことに気付いたらしくて」
「影山は現文かー」
「今回やたら読解問題が多かったらしくて。西谷と同じで暗記に絞ってたから__」
「漢字はパーフェクトだ!」
「北来は?」
「異国の言語は理解しかねます」
「頭良さげに言うなバカ」
「普通に英語って言えよ」
「陽の読める英語はmoltenとミカサくらいだからな」
*バレーボールメーカー
「NIKEもニケって読みますからねー」
「adidasも読めるか怪しかったぞ」
「もうやめてくれません!?」

「まあ、あんまり落ち込むなよ。遠征は今回だけじゃ・・・」

「どうやって東京まで行く」
「走るか」
「チャリだろ」

【行く気だ・・・!!】



赤点補習には日向、影山、そして北来が引っかかった。その彼らを置いていき、バレー部は初遠征の地、東京へ降り立つ。

「おお!あれはもしやスカイツリー!?」
「おおっ!?」

「いや、あれは普通の鉄塔だね」
「ぶひゃひゃひゃっ!」

はしゃぐ田中と西谷を見て、音駒高校の海信行と黒尾鉄朗は後ろから突っ込む。

「そういえば。あれ?陽は?」
「実は・・・」
「あっ!察した。あいつ馬鹿だもんなぁー」
「今頃補習だよ。
影山と日向は車で来るとかどうとか聞いたけど、北来は教科書丸写しするまで帰れないらしいから」
「何その地獄・帰れま10」
「まあ、間に合っても明日だろうな」

「え?まじ?じゃあアイツにも言っとかなきゃな」









一方。赤点組は午前の補習を終え、田中の姉、冴子の運転で東京へ向かっていた。


「はぁ、はぁ、間に合った____」
「2時間で教科書50ページは凄いな!陽!」
「あざす、冴子姉さん!俺、冴子姉さんの車に乗れて幸せっす!
日向、お前ふてくされたツラすんなよ。少し、ほんの少し遅れちまっただけだ。バカはそういう運命なんだから!
ねっ!冴子姉さん!?」
「そうだ!オラ!そんな思い詰めんなよ!
回り道には、回り道にしか咲かない花もあるんだからさ」
「「おお!なんか カッケェ!!」」
「わはは!!あたしの隣でドライブ出来てんだから 赤点に感謝しろってこと!!」
「感謝っ!!」
「おうおう!もっとせえ!」









「烏野・・別に弱いってわけではないけど平凡だよな」
「これで何敗目だよ」

影山・日向・北来不在の烏野は、試合に負けたペナルティ、何度目か分からない体育館フライング一周に向かっていた。

「音駒が苦戦した1年ってどれのことだよ?」
「音駒の買い被りすぎじゃ・・・」

ギィィィ!!!

「おっまだやってんじゃん。間に合ったね。上出来ー」
「姉さんこんにちは!」
「やっと着いたぜ!いえっへぇぇぇい!!」
「陽うるせぇ」
「主役は遅れて登場ってか?腹立つわー」

「え?何何!あれ!」
「木兎さん。
烏野の連中、何人か遅れて来たみたいですよ」
「そうなの?」
「まあ加わっても1年だろ?あんま変わんねーだろ」
「いや、木葉先輩。あの人、見てください。2年で195cmです。今月の月刊バリボーに載ってました」
「赤葦よく知ってんね?」
「木兎さんもバリボー読んでください」


「オラ!お前は遅刻したから烏野に居場所はありませーん!音駒で、リエーフ君の世話係デース」
「誰それ!外人!?」
「リエーフですっ!!」
「君がマーク・トゥエイン?」
「石井マークです!」
「それ言うなよ」

「大丈夫!任せたぞ!陽!」
「やっくんパイセンまで!やめてくださいよ冗談は!
武ちゃぁぁぁん!ホントなんですか!」
「ホントだよ?」
「ああああああ!!」
「チームに居場所が欲しけりゃ赤点取んじゃねーよ!」
「だって英語わかんないんだもん!」


「あ、木兎さんと同じこと言ってますよ。あの人」
「心做しか似てるな」
「いや、同じってか似てるってか___あいつは」

「あ、ごめん陽!アイツに遅れるって言うの忘れた!」
「え?アイツって?」
「それは梟谷の?大エース様だろ?」
「は?来てんのかよ!?」
「こら、敬語」
「え、どこに!____

あ!!」



「光太郎!!」
「陽!!!」



「陽せんぱい?」
「梟谷のエースと知り合いなの?陽?」
「なぁんか似てると思ったぜ」












「いや、同じってか似てるってか___あいつは




俺の弟だ」







29.9.9

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