くろあか | ナノ

 二十五話 ハンター



本当はヒソカさんのお仕事を手伝いたい気持ちあるんだけど「ボクがいいよって思うまでは仕事には連れて行かない」と言われてしまった。この間の失敗もあるから大人しく従うことにした。

「そうそう。ゆあのお母さん…アネモネだっけ?◆」
「はい。それがこっちでの名前だそうです。」
「調べてみたんだけどねーダメだった◆」
「ダメ?」
「なんか情報が少なくてね◆」
「…そうですか」

お母さんのことも調べてもらっているけどなかなか情報が集まらない。もともと「クルタ族」の情報が少ないのもあって難航していた。

「アネモネ…か。名前ぐらいは聞いたことあるぞ」
「マスターさんほんとですか?!」
「あー確か、いつだかのハンター試験で、数百人が受けた中一人だけ合格したのがあってなぁ。試験官がすげぇ厳しい男だったんだよ。そのとき唯一の合格者がそのアネモネって奴だった気がする。

まさか女だとは俺も知らなかったが、ハンターの中では一時期すげぇ噂になったなぁ。誰一人として姿をみたことがない。とか『闇夜の花』とか大層な通り名が付いてた気がするぞ。」

「『闇夜の花』…」
「ふぅん…その名前で調べてみるよ◆」

お母さんほんとにすごいハンターだったんだ。しかも20歳で地球に飛ばされた、ってことはハンター試験に合格したのってそれより前ってことになるよね…。

「ヒソカさん…わたし、20歳になるまでにハンターになりたい」
「ん?◆どうしたんだい急に」
「お母さんと、同じ、ハンターに」
「まあ、目標は高い方がいいよね◆」
「いずれはヒソカさんを超えてみせます!」
「それは無理◆」

にっこりいい笑顔で言われてしまった。…結構本気で言ったんだけどな。まだまだ遠いな。

「あ、そうそう明後日にこのホテル出るから◆」
「えっ!?」
「もう居る意味ないからね◆」
「そう…です、よね」

そうだよね。もうターゲットは殺したんだ。襲われることもないしこのホテルにいる意味だってない。

「そんな顔すんなよ」
「…マスターさん」
「別に二度と会えないわけじゃねぇんだし」
「…今度は自分のお金で、ちゃんと泊まります!」
「ゆあここの料金知ってるの?◆」
「うっ…!」

そりゃあ訳ありの人が泊まる念を使ったホテルだもんね。高いのは聞いてたけど…そんなに?

「安くしてやるから」
「…お願いします」
「ハンターになったらお金なんてあっという間に集まるよ◆」
「…お金の為だけじゃないですけど、頑張ります!」

ヒソカさんへのお返しだってある。ハンターになったらまずお金を稼がなきゃ…なんか意外と夢がないなあ…ハンター…

その日はマスターさんとごはんを食べてハンターについての話しや試験についてのこと、いろいろ話した。当分会えなくなると思ったら寂しくて、遅くまでずっと話した。

イルミさんもマスターさんも
わたしにとっては大事な人たち。

二度と会えないわけじゃない。

また会うときにはもっともっと美人になって、大人になって強くて、お母さんみたいな素敵な女になって見返してやるんだから!



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