中学生じゃありません!



───いつでも笑顔でいて。どんなに大変でも、諦めちゃダメよ。


───誰かを見捨てたり、裏切ったりしないで。



───…そして、傷付いた誰かの心を癒してあげられる人になりなさい。













「───お待たせ致しました!本日のおすすめ、フルーツタルトです!どうぞごゆっくり!」



…母が亡くなって13年。現在私は、母の言葉を胸にカフェで働いていた。


いつでも笑顔、お客様が困っていたら手助けする。当たり前のことだけど、私にとっては大切な言葉。



カラン、カラン



「あっ、いらっしゃいませー!!お席は此方になります!」


「おやまぁ、ありがとうね…中学生なのにお店のお手伝いかい?偉いねぇ」


「ちゅうがっ…い、いえ私は…」


「お客様ー、その店員さん米粒のようにちっちゃいですが二十歳でーす」



おばあさんと私の間に入ってきた一人の男性店員。名前は甘木久利夢、近所に住んでいて昔から付き合いのあるいわゆる"近所のお兄ちゃん"だ。母さんが亡くなってからは彼や彼の両親によく世話になったものだ。


…だけど、米粒は酷いよ久利夢君…。
確かにちっちゃいけどそこまでじゃないぞ。



「あら、ごめんなさいね?悪気があったんじゃないの」


「いえいえ、お気になさらず!さ、此方のお席にどうぞ!」



パッと見中学生な身長に加え胸ペッタンのベビーフェイス。子供に見られるのは日常だ。ひどいときは小学生扱いされたりするほど。


でも、そんなの今さらどうにもなんない。むしろそのおかげで色んな人に対応出来るんだから!


そんな前向きな思考を保ちつつ、今日も私は元気に働いているのです。



「がんば、"中学生"鏑木もかサン」


「んもー!!中学生って言うの止めてよ!」



でも身長気にしてない訳じゃないんだからね!





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