頭上から照りつける人工の光
窓から入る小さい光
水面に反射して光る水
息を吹けば大小様々な泡

「(水が好きだ)」

無音
誰もいないプール
屋内のプールの水は温かい

「―――?」

水面に浮かぶ人影
プールの底にいたので、よくわからなかったから仕方なく浮き上がった

「………凛」

変わらない真っ赤な髪に小六からかなり身長が伸びてる
留学してから一度も会ってない彼の雰囲気はどこかトゲトゲしくなってる

「いつ帰ってたの?」

バサリとプールから上がり、何も言わずに睨みつけてる幼馴染の凛

「何してんだよ、お前」
「何って…個メの練習してたら飽きたから」
「そんなんじゃねぇよ、バカか」

真っ白いタオルを頭から被され、乱暴に頭を拭かれる

「ちょ、凛!」
「こんな真夜中に泳ぐ馬鹿がいるかよ、風邪ひくだろ」
「………」

たしかに、屋内に設置されている時計を見ると見事に23時を回っていた
しかも季節はまだ冬だ。
いくら室内プールだからといってこの時期に入るのはおかしい
水分を取ったタオルを肩にかけて、何年ぶりかの幼馴染と向かい合った。
小学生の頃はまだ身長差なんてなかったのに、頭二つ分くらいはありそうだ。

「久しぶりだね、凛。でかくなってる」
「当たり前だろ、何年経ってると思ってるんだよ」
「4、5年ぶり?」
「ったく、おめぇのボケっとしてる性格は変わってねぇな」

被ってきたのか帽子を被って、鼻で笑う
昔のような笑い方で濡れてる髪の毛をクシャクシャにしてきた。

「……まだ、やってるんだな。水泳」
「うん、水泳部に入ってるから」
「ふーん、どこ?」
「鮫柄女学園」

鮫柄という単語を聞いてぴくりと反応する凛

「鮫柄?」
「気になるの?」
「……いや、4月から鮫柄に行く」
「鮫柄学園?」

鮫柄は男子校で水泳部の強豪校だ。
高校でも水泳を続けるのだろうか?
泳ぎを教えてもらった彼には是非とも続けて欲しい
また凛の泳ぎをみたい。

「ふはっ」
「あぁ?」

ついつい、凛がバッタしてるところを想像したら楽しくなってきてしまった。
しかも鮫柄女学園の水泳部も周辺の高校と比べれば強豪の部類に入る。
最近であるが鮫女と鮫柄の部長同士が仲いいので偶に合同練習が開かれるのだ。

「(凛の泳ぎがまた見れる)」

突然吹き出した事に理解できなかったのか凛は片眉を上げた

「やっぱ、凛は水が似合うよ」
「はぁ?」
「ふふー二年生が楽しみだなー!」

これは二年に上がる前の三月の話。

※鮫柄女学園
オリジナル高校
夢主が通う高校で水泳部が強い。
鮫柄学園は男子校なので女子高もあり!?みたいなノリでやってしまった
深夜のテンションで作ってしまったが後悔はない

夢主設定(仮)
・入江 晶/イリエ アキラ
・女
・種目/フリー クロール/個人メドレー
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