悲哀の劔が眠る柩
それは世にも安っぽい噂話。
人の生き血で目覚める摩訶不思議な呪われた劔。
傷付ける事しか出来ないその劔は民を守る事に憧れていたけれど。
奪う事しか出来ない劔には綺麗話等到底無理な話で。
守る為にと向けた刄は見境無く敵を薙いだけれど。
敵の家族が悲しむのを見て。
不思議な事に劔自身が哀しくなった。
劔は自らを封印の柩へと終止符を下ろし永い眠りに着いたけれど。
その眠りを赦さなかったのは劔の様な雰囲気の青年。
劔は、人間だった頃の自分を見た気がした。
……おはよう異形の劔、悪夢はまだ始まってすらいないさ。
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