可愛い子と過保護(1/2)

※コラボ作品です
※祇叛様宅の幸村成り代わり主と連載設定が登場します


「ああああ!真田猿飛久しぶりだな!相変わらず貴様ら二人は可愛いなあ!」
「…三成。元服をとっくの昔に済ませた男に可愛いはないだろう」
「そうだよー、落ち着きなって!」
あーあー…三成はしゃぎ過ぎ。
真田と猿飛をいっしょくたにぎゅうぎゅうと抱き締めておる。二人が苦笑しておるのが見えぬか。
…これも仕方なき事か。何せ…何時振りだ?…マ、いっか。
「風魔もナ、よう来た」
「(お邪魔しております。しばらくお世話になります)」
「我はエスパーではないユエぬしが何を言っておるやら分からぬが……マ、そんなに畏まるでない」
きちんと三つ指突いて頭を下げる風魔。ちょう礼儀正しい、ちょう養子に欲しい。
よしよしと頭を撫でてやると雰囲気が少し緩むのが可愛いのだ、この男は。
これが何時もと変わりない我らの挨拶だ。


しばらく和やかに歓談していた時だ。
「三成ー!!」
ッチ、恒例のあの男が来おった。
三成はげんなりした顔で入り口から一番遠い所へ避難する。
「ヤレ。あの男はホンに我へと手間を掛けさせる」
さあ今日はどうやってあの男を叩きのめそうか、そう思いながら数珠を繰る。
闇の婆娑羅の片鱗か、紫の燐光が散る。それに目を輝かせる猿飛。
そんな顔されたらもっとサービスしたくなっちゃうじゃないか。
と、思っていたのだが。
「この声は徳川か…?大谷殿、ここは俺が」
すっくと立ち上がる真田。
「…ぬしがか」
わざわざ面倒事を引き受けるとは一体どうしたのか。
あ、さっき我の数珠で猿飛が…。そうかコレ以上我の見せ場は作らぬとそう言うか。
…我の手間が無くなるのは嬉しいユエよいが。
「徳川殿御覚悟ー!!」
気合いの声と共に突き出した拳は見事に闖入者を弾き飛ばした。

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