まずい。非常にまずい。もう一度言うがこのままいけば我々は独眼竜とその右目に最悪な印象を植え付けることになる。可能なことならそれは避けたい。
「今更無理じゃないかね?」
「(おそらくもう手遅れだ)」
「人の心を読まないでください!!そして他人事みたいにしてますけどアンタのせいですよ!?」
松永さまと、いつの間にか話に参加していた小太郎にも八つ当たりの如く叫ぶ。ホントにいつの間にきたんだ。
このままでは確実に彼らはここに攻めてくるだろう。そうなれば我々もただでは済まないはず。
「(大丈夫だ。己もいるから)」
「いやいやいや!!戦う前提で話進めんなよ!?」
「(ここまできたら迎え撃つしかないだろう)」
「まさかの開き直り!?」
「ふむ、風魔は分かっているようだね。感心感心。」
だぁぁっ!!もうやだこの人達!!話通じないし…
がっくりとうなだれている俺の肩をポンと叩く小太郎。まるで諦めろと言っているかのように首を振って。あぁ…これはもう止まらないな。いやでも、
「小太郎まで何言って…」
ドォン――…
俺の言葉を遮るようにして聞こえたのは爆音。それはまるで雷が落ちたかのような。
あ…これはきっと双竜がいらっしゃったんですね。どうやって謝罪しよう…
攻め込まれているのに俺の脳内はやけに落ち着いてそんなことを考えていた。
カウントダウンは止まらない
(松永ぁぁあ!!てめぇ覚悟は出来てんだろうなぁ…!?)
(やれやれ…右目は随分と御立腹のようだ)
(アンタのせいでしょうが!!)
(そうかね?まぁ右目の元へ向かおうじゃないか)
(はぁ…(胃が痛くなってきた…))