02

小太郎視点

俺が、使いから帰ってくると主であるお二人が俺のために甘味を作ってくださっていた。
それも、俺が遠慮などしないように自分達の分も作ってだ。
これほどうれしいことはない。

「やっぱり、コタの入れたお茶はおいしいね」
「あぁ、旨い」

今は、お二人の部屋の前にある縁側で甘味を食べている。
流石に、お茶までお二人に淹れさせるわけには行かないので俺が淹れた。

「最近は、梵の所に行ってたからたまには三人でのんびり過ごすのもいいね」
「そうだな」
「(丁度いい陽光なので、日向ぼっこにはいいですね)」
「あはっ、そうだね」
「ククッなら、後で三人で日向ぼっこでもするか?」
「いいね!それ!」
「コタも参加だからな」
「(お二人の護衛はどうするのですか?)」
「そんなもの、真田忍隊の誰かに頼めばいいだろう?」
「そうだよ」

まったく…お二人にはかなわないな。

「(それでは、参加させていただきます)」
「それでよろしい!」
「ならば、皿を片付けてこよう」
「そうだね」
「(俺が行きます。その方が早いでしょう?)」
「いいのか?」
「(はい)」
「なら、頼む。その間にこちらもやる事をやっておこう」
「(では、片付けてきますね)」

俺は、幸村様の持っていた皿を持って厨に急いだ。


(何もせずボーッとするのもたまになら楽しいものだ)
(そうだね)
(だが、こうも暖かいと眠くなってくる…なウトウト)
(そぉ…だねウトウト)
(寝てもかまいませんよ)

((スゥ…スゥ……))
(たまには、お二人の寝顔を見ながら平和をかみ締めるのも悪くない)

(9/9)
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