両手一杯の幸福を貴方に(1/2)

皆さん、こんにちは。
豊臣秀吉の娘、千歳です。

あー…やっぱり敬語キツい。
ちょっと緩くいこうか。
敬語キャラじゃないからさ。
 
あ、向こうに誰かいる。

「家康、ベタベタくっつくな。鬱陶しいぞ!」
「これくらい良いじゃないか!」

関ヶ原こと家康と三成でした。
某スタイリッシュゲームを知ってる人は二人に疑問を感じると思います。
そりゃあそうです。
二人は<徳川 家康>と<石田 三成>であって、そうでない存在だからです。
 
良く分からない?
うーん…まぁ、所謂成り代わりです。

私が何故こんな事を知っているかという疑問に対しても同じです。
私も彼等と同じ転生者だからです。
…この話はこれくらいで良いでしょう。

「家康…貴様…限度という物を知らんのか…」
「ワシの辞書に限度という言葉はない!」
「貴様は馬鹿か。」

このやり取り、言葉だけ聞くと家康が一方的ですよね。
でも、実際見ると三成は厳しい事を言ってますが顔が真っ赤なんですよ。

ツンデレですか、ありがとうございます。
これってもしかして、家三ですか。御馳走様です。
個人的には三家も良いですが、やっぱり家三です。
すいませんね、私雑食なもので。
何時もなら、私だけで二人のやり取りを気が済むまで傍観するんですが、今日は一人増えるようです。

「おのれ石田三成…!家康様の寵愛を受けるなんて…ブツブツブツ…」

私達と同じ転生者であり、家康の忍である初芽です。
家康と交際してる三成を恨んでる(?)らしくこうやって影から憎々しげに睨んでいます。
これは何処の昼ドラですか。

『取り敢えず落ち着いて。』
「でも…。」

この手は使いたくなかったのですが、仕方ない…。

『家康に三成を睨んだりした事がバレたら……後は言わなくても分かると思うけど。』

顔色を一気に悪くした初芽。悪く思わないでね。
暫く初芽は黙り込んでいましたが、何処からか手拭いを取り出してぎりぎりと噛み締め始めました。


だから、何処の昼ドラですか。

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