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「俺ってさ…いつも付き合って、って言われて付き合っていただろ。
その…特に相手をそんなに好きじゃなくても…」
「…あぁ…」
鷺沼はいかにも男っぽい、筋肉質な体型だが、マッチョ好きな女によくモテる。
本人を知らなければ、外見だけなら野生的でワイルド、といえるのだろう。
現に羽柴ほどではないにしろ、鷺沼も女からモテており、告白してきた子と付き合った事もあるらしい。
優しいから、気軽に話せるのも、鷺沼のいいところだ。
「だから…みんな俺が恋愛感情ないのわかったんだろうな。他に好きな人が出来たとかいいながら、離れていった」
鷺沼は、けして付き合うについては悪い男ではない。
約束は守るし、彼女を優先する。
優しいし、二股なんかしない。時にお姫様のように、優しくエスコートしてくれる。
それでも毎回三ヶ月以内にフラれてしまうのだ。
「それで…その今まで気づかなかったんだけど…
何故彼女達が好きになれないか。ようやくわかったんだ」
「ほぅ…」
ようやくわかった…か。
恋でもしたか?
羽柴は鷺沼の言葉にニタリと笑う。
意地の悪そうな羽柴の笑みに、まるで心でも読まれているような気分になった鷺沼は、もじもじと言いづらそうに口を開く。
「俺…幼なじみが…好きなんだ…」
「ほぅ…」
「今までずっと一緒にいたからわからなかったけど…」
顔を赤らめながら、鷺沼はつらつらと幼なじみの事を語る。
思えば昔から、幼馴染の姿を見るだけでどきどきした、とか、
幼馴染は本当に可愛くて、そろそろ限界に近い、煮詰まっているとか。
半ばノロケとも言えるその話に、羽柴はおざなりに耳を傾け、パスタを頬張る。
「ぼんで…?」
パスタを食べながら、不意に羽柴は問う。口にものを含んだまま、言ったのでちゃんと言葉にはならず、不可解な言葉として出た。
「は?ちゃんと食べてから…言ってくれよ」
「ん…、ぷはーうまかったな、これ…水」
「はい」
律儀に羽柴に水を差しだす鷺沼。
羽柴はす、っと差し出された水を勢いよく飲み、ぷはーとビールでも呑んだかのように零した。
見た目は真面目なのに…こういうギャップも、羽柴の特徴だ。
羽柴を溺愛する恋人などは、こんな姿の羽柴に心底惚れているらしい。
羽柴は頼んだパスタがいたく気に入ったのか、メニューを確かめ、携帯にメモを打っている。
今度勝英にこれ奢らせるわ、などとニコニコ笑んでいる。
今度恋人とくるときまた頼むつもりなのだろうか。
一通り作業が終わると、羽柴はパチン、と携帯を降り、ポッケにしまった。
「でさ…お前が言っているの、一個したの幼なじみだよな」
「あぁ…」
「どっちの…だ」
鷺沼には幼なじみが二人いる。
正反対、とも言える一つ年下の幼なじみが。
一人は、羽柴もよく知っている。
同じ大学だから。まぁ、それ以外にも理由はあるのだが。
その…特に相手をそんなに好きじゃなくても…」
「…あぁ…」
鷺沼はいかにも男っぽい、筋肉質な体型だが、マッチョ好きな女によくモテる。
本人を知らなければ、外見だけなら野生的でワイルド、といえるのだろう。
現に羽柴ほどではないにしろ、鷺沼も女からモテており、告白してきた子と付き合った事もあるらしい。
優しいから、気軽に話せるのも、鷺沼のいいところだ。
「だから…みんな俺が恋愛感情ないのわかったんだろうな。他に好きな人が出来たとかいいながら、離れていった」
鷺沼は、けして付き合うについては悪い男ではない。
約束は守るし、彼女を優先する。
優しいし、二股なんかしない。時にお姫様のように、優しくエスコートしてくれる。
それでも毎回三ヶ月以内にフラれてしまうのだ。
「それで…その今まで気づかなかったんだけど…
何故彼女達が好きになれないか。ようやくわかったんだ」
「ほぅ…」
ようやくわかった…か。
恋でもしたか?
羽柴は鷺沼の言葉にニタリと笑う。
意地の悪そうな羽柴の笑みに、まるで心でも読まれているような気分になった鷺沼は、もじもじと言いづらそうに口を開く。
「俺…幼なじみが…好きなんだ…」
「ほぅ…」
「今までずっと一緒にいたからわからなかったけど…」
顔を赤らめながら、鷺沼はつらつらと幼なじみの事を語る。
思えば昔から、幼馴染の姿を見るだけでどきどきした、とか、
幼馴染は本当に可愛くて、そろそろ限界に近い、煮詰まっているとか。
半ばノロケとも言えるその話に、羽柴はおざなりに耳を傾け、パスタを頬張る。
「ぼんで…?」
パスタを食べながら、不意に羽柴は問う。口にものを含んだまま、言ったのでちゃんと言葉にはならず、不可解な言葉として出た。
「は?ちゃんと食べてから…言ってくれよ」
「ん…、ぷはーうまかったな、これ…水」
「はい」
律儀に羽柴に水を差しだす鷺沼。
羽柴はす、っと差し出された水を勢いよく飲み、ぷはーとビールでも呑んだかのように零した。
見た目は真面目なのに…こういうギャップも、羽柴の特徴だ。
羽柴を溺愛する恋人などは、こんな姿の羽柴に心底惚れているらしい。
羽柴は頼んだパスタがいたく気に入ったのか、メニューを確かめ、携帯にメモを打っている。
今度勝英にこれ奢らせるわ、などとニコニコ笑んでいる。
今度恋人とくるときまた頼むつもりなのだろうか。
一通り作業が終わると、羽柴はパチン、と携帯を降り、ポッケにしまった。
「でさ…お前が言っているの、一個したの幼なじみだよな」
「あぁ…」
「どっちの…だ」
鷺沼には幼なじみが二人いる。
正反対、とも言える一つ年下の幼なじみが。
一人は、羽柴もよく知っている。
同じ大学だから。まぁ、それ以外にも理由はあるのだが。