短編 | ナノ

「って、ことで、天龍寺、スキ、結婚して、そのあとちゅーして。抱きしめて」
「……」
「ああ、その鋭い瞳、しびれるぅぅ」

俺が可愛く誘っているのに、俺のマイダーリン・天龍寺は無視。
優雅に長い足を組みながら、コーヒーカップを持って珈琲を飲んでいる。

もう、そんなところもくらくらしちゃうvvどこのモデルですかって感じ。
かっこよすぎ。ぽぉってしちゃうよ〜。
なんでそんなかっこいいの〜。
思わず悶絶する俺。

俺、田所俊二。こう見えてぴっちぴちの17歳。
そして、俺が愛してる大好きなダーリン。
名前は天龍寺辰巳。同じく17歳。こう見えて、ここいらのナンバー2の族のグループの総長なんだぜ。もうかっこいいの〜。のろけるつもりないけど、超かっこいいの☆


細かくいうと、その野性味あふれた鍛え抜かれた肉体だとか…、
もうモデル並みに長い脚だとか、ちょっとストイックで堅物っぽい真面目そうな顔だとか…全部俺のつぼにはいり、きゅんきゅんきてしまう。
愛してる、この世の全てを与えもいいくらい俺は天龍寺を愛してるー。


天龍寺は、高校生にもかかわらず優に180は超えていて、俺なんか見上げないと天龍寺の顔を見れない。
だから、俺は自然と、天龍寺と話すときは上目づかいで話すんだけど…なんでか、天龍寺はそれが気に入らないらしい。天龍寺曰く、男の癖にきもい、だって。

まぁ、その嫌悪溢れた天龍寺の瞳にきゅんきゅんくるから別にいいんだけどねー。


天龍寺は俺に好かれているのをあまり好ましく思っていないらしく、俺が喋ってもムシムシ。

今まで、まともに会話をしたのはどれくらいだろう…。
はっきり言って謎だ。
俺のことも未だに名前で呼んでくれないの。
くすん。
俺の容姿が天王寺と違って、いっつオールへいぼんぼんなのもいけないのかもしれない。


そもそもね、俺が天龍寺を好きになったのは、天龍寺が暴走族?みたいな相手にたった一人で立ち向かっていたところをたまたま見たからなの。
一般人を脅していたところへ天龍寺が止めに入って…。

血だらけになりながら、殴りかかる天龍寺を見て、もう俺の心はきゅん、としちゃった訳。

だから、わざわざ同じ族のやつらに天龍寺の情報取ってきてもらって…
こうして押しかけ女房ならぬ、押しかけストーカーやってるの。
天龍寺は迷惑しているけどね。でもこの想いは止められないんだぜ。

「…」

天龍寺は好きすき言っている俺を無視して、長い脚をソファーから投げ出し優雅に雑誌を読んでいる。

その長いおみ足に蹴られたい、って思う俺は、ちょっと危ないかな…。
でも、蹴られたら俺はその日一日興奮して眠れない自信がある。
蹴られたところの痛みを、オカズにして…、
えへ。俺ってばエロい子なんだからーっ

でもでも、天龍寺にならどんなプレイでもオールオッケーっていうかぁ…



「お〜、相変わらずきているねぇ。天龍寺君のストーカー君」

カラン、とドアが鳴る音とともに、数人のお兄さんたち。
この人たちは、天龍寺の仲間。更には、同じ族の人らしい。
もう何度も天龍寺のおっかけをしている俺は、既にここでは顔が知れている。

このお兄様がたとも顔なじみだ。

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