短編 | ナノ

だけど、結局、ボクをよんだ大国もボクを必要としているのではなく、只今な魔力だけを必要としているらしかった。

ボクが必用なんじゃなく、ボクの魔力だけが必要だったのだ。
つまり、ボクは爆弾や、火薬と同じ、ただの兵器とみなされただけだった。


 ボクは国の魔導師として、何年間も国の為に魔法を奮った。
沢山の人をあやめたと思う。いくつかの小さな国はなくなり、反乱軍もなくなった。

それに比例し、国は大きくなっていき…ボクの名声はとどろき…

ボクは魔導師の中では名が知れた人間になった。

富と名声を得たのに…ボクは虚しくなっていった。


名前だけが一人歩きをし、誰も彼も皆ボクを怖がる。
誰もボクを必要とせず、魔力にだけ、たかっていく。
ボクの意志なんか、無にして。


 なんのためにいるんだろう。

…自由になりたい。
戦いに明け暮れた中、ふと、今の現状を壊したくなった。

すべてを棄てて、一から自由に歩いてみたくなったのだ。

 しかし、すべてを棄てるには、ボクの力は大きくなりすぎて、気づいたら自由を得られない環境にいた。

ボクが、魔法を国の為に使うのはやめて、自由になりたいといえば、王はたちまち激怒し、ボクが他国へ移り渡る前にボクを殺そうとするだろう。

まぁ、返り討ちに出来るだろうけど。

でもできれば面倒な事はしたくない。

ボクが動けば、戦争になったり、国が1つ動いたりするだろう。
そんなのは面倒だ。


どうすれば、自由に、面倒なくこの国からきえられるのか。
そこで考えたのが、こっそりと姿を消し、この大地から姿を消し去る事だった。


ボクは世話になった魔導師にだけ、国を出る事を告げた。

魔導師は悲しむ訳でもなく、そうか…とだけいい、僕を見送った。

魔導師に別れを告げた翌日、ボクは国の人間に見つかる前にこの地から姿を消した。


     
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