9-79
 絹を裂いたようなウリハリの悲鳴を聞き、それまで気ままに散開していた一同はそれまでの作業を止め、即座に声がした方へ向かう。
 全員が彼女の元に着いたのはほぼ同時で、四つの視線の先には血痕の前で座り込んでいるウリハリの姿だけがあった。そして何故か自身の華奢な体を抱えてうずくまる彼女の側には、あるべき筈の存在がなかった。
「ウリハリ!」
「クサカ……。それに皆さん……!」
「何があった? ……怪我は無いみたいだな。あの阿呆は一緒じゃねえのか?」
 途端、ウリハリの目が大きく見開かれる。涙で潤んだ紫の目には、恐怖の色がありありと浮かんでいた。
 その姿が三千年前の惨劇と重なり、クサカの腹の中に何度目かのどす黒い感情が沸き上がる。
 ーーああ、やはり早めに片づけるべきだったんだ。
 己の行動の遅さを呪いつつ、懐に手を伸ばす。
『あんたにしか、頼めないんだ』
 ササにいた頃、まだ記憶を戻していなかったセツは真剣な眼差しでクサカにあるものと、願いを託した。それはクサカにとって願ってもみない申し出であり、ずっと追い求めていたものであった。
 それはほんの一秒でもあれば済む。が、手頃でいつでも出来るが故にクサカは実行に移すタイミングを見失っていた。しかし、ウリハリの姿を見た彼は、今がそのときだと確信していた。
 懐に入れた指の先が堅いものに当たる。それを指でなぞり、形を確かめた後、彼は指先にぐっと力を入れる。が、その手は華奢な手によって止められる。
「セツさんが、セツさんがもう一人いたんです……!」
 ウリハリの絞り出すような声に動きが止まる。それは他の者も同じなようで、皆は彼女の発言の意図が分からず、いぶかしげな顔をして固まっていた。
「……えーっと、ウリハリ。頭打った?」
「本当なんです! 自分でも馬鹿げた話だと思っています。けれど、
本当にセツさんの後ろに、セツさんがいたんです!」
「ああ、成る程。これは一大事だわ。ウリハリ、あんた疲れてんのよ。寝ておけば? クロハエ、寝床作ってやって」
「はいよー。合点承知」
「だから、本当なんです!」
 叫ぶようなウリハリの主張に、それまでの意味不明な言葉は疲れのせいだと解釈し、簡易的な寝床まで作っていた一同の手が止まる。
「お願いですから、聞いてください」
 一転し、絞り出すような声で懇願され、各は顔を見合わせ黙ってウリハリの話を聞くことにした。同時に、クサカの手は懐から離れ、うつむくウリハリの肩に触れようとする。が、寸前でその手は止まり、少しの躊躇いと共にだらりと地へ向けられる。
「私が此処でセツさんとお話ししていたら、後ろの茂みからセツさんが。いいえ、セツさんになり損ねたものが出てきたんです」
「なり損ねた……?」
「はい。それは顔や姿はセツさんにそっくりでした。本人と言っても間違いではないほどに。けれど……」
 自分が目の当たりにした光景を思い出したのか、ウリハリは再度自身の体を強く抱く。そうせねば自分がおかしくなってしまうと言うように、強く、強く。
 目の前に居たのは、困ると口にしながらこちらを見つめるセツ。そしてその後ろには、同じような無表情でこちらを見ているセツの姿があった。が、何故か後ろのセツは何も身に纏っておらず、そして……、
「その体の一部は、植物のようでした」
 その右足は木の根のように何本にも枝分かれしていた。
 背後の存在に気付いたセツは、やや一瞬の間があったものの、有無も言わさぬ早さで自分と全く同じ姿のそれを切り捨てた。
 ほとばしる血液、悲鳴も上げずに崩れ落ちるそれを見て悲鳴を上げるウリハリを置き、セツは動かなくなったそれを抱え、森の奥へと消えていった。去り際に彼女が何か言ったような気がしたが、目の前の現象を受け入れるだけでいっぱいいっぱいだったウリハリがそれを聞き取ることはなかった。
 ウリハリの説明を聞き、一同は水を打ったように静かになっていた。
 セツの生い立ちを知っている者ならば、そのセツにそっくりな何かの正体は薄々ではあるが分かる。が、いざそれを認めるとなるとやはり抵抗がある。
「成る程。ここはセツの複製を作っている場所なのかもしれんな」
 ただ一人、ココーを除いては。
「あのねぇ、普通それ言う?」
「事実だろう。真実から目を背けて良いのは子どもと頭の足りん馬鹿だけだ。俺はそろそろ真実を見たい。嫌な奴はここに残れ」
「何で怒ってんの?」
「怒ってはいない。不快なだけだ。腹が立つ」
「どっちだよ」
「いいから行くぞ」
 ゆっくりとだが、着実に仲間たちは前に進み始めた。しかし、彼らはまだ知らない。
 セツの秘密が眠るこの森の中で、彼女の存在意義が大きく変わってしまうことを。

 ・

 頭が理解するよりも早く、条件反射で相手を切り捨てたセツはその亡骸を抱えて森を走っていた。
 走りながら視線をそれに向けると、ぞっとするほど自分とそっくりな造形の光を失った真っ黒な目と視線が合う。今すぐにでも投げ捨てたくなる衝動に駆られながらも、セツはそれをしっかりと抱えて走る。
 闇雲に走っているように見えるセツだが、彼女はある感覚を頼りに走っていた。それは一般的な言葉で表すとただの勘なのだが、ここがどのような場所か把握した今のセツにとっては確信であった。
 どれくらい走っただろうか。すっかり息が切れた頃、彼女は半開きの扉と巨大な木の根本に立っていた。
『生体の培養にはね、それに適した環境が必要なのだよ。豊かな土、水、空気。それらが備わっていないと遺伝子バランスが壊れてしまう』
 懐かしい老人の声が蘇る。
『だから君の培養は大変なのだよ。珍しい環境下で育っているからね。メギドに近い地質は中々見つからない。似たような土地は見つけたが、君の培養は難しいだろうね』
 ーーああ、これがアルティフの言っていた地か。
 木に手を伸ばした途端、目の前の大樹はセツに触れられるのを待っていたように輝き、そして次の瞬間塵芥と化して大気中に消えていく。
「失敗、したんですね」
 ぽつりと呟き、セツは扉に手を伸ばした。扉はギイとやや立て付けの悪い音を立てて静かに開く。その音と開き方から、ここが廃棄されてそう長く経っていないことが把握できる。
 人の存在を感知し、扉の奥に続く長い廊下の床に光が灯ってゆく。輝石を用いた、アルティフ率いるシキだけが知っていたそのシステムは、当時のシキが居たら誰もが懐かしさを感じたことだろう。しかし、当時のシキであるはずのセツはそれらに反応することなく、自分と瓜二つの亡骸を脇に抱えてさっさと廊下を進んでいく。
 進むうちに廊下の両端に小部屋を見つけたセツだが、その部屋を目の端に捕らえただけで入ろうとしない。彼女の勘が、求めている物はここにないと理解していたからだ。
 やがてセツは鋼鉄の扉の前に出た。
 間違いない。この奥だ。
 第六感というのだろうか。もう一人の自分に導かれるようにして、彼女はその場に立っていた。
 扉に手を伸ばそうとして、ふと思い留まる。確か、記憶の中のアルティフは重要な部屋に入る為にある手順を踏んでいた。
 きょろきょろと周囲を見渡すと、扉の横に石版が設置されていることに気付く。
 石版に手をかざすと、青白い光が石版状に溢れ、その光の中に言葉が浮かび上がる。幸いなことにその言葉は現代語ではなく、聖戦時代の物であったため、セツでも読むことができた。
 最高の失敗作の情報を
 意味が分からず、暫く光の中に浮かんだ文字を眺めていたセツだが、ミズシが自分のことを最高の失敗作と呼んでいた事を思い出す。とにかく自分の情報をどうにかして伝えれば良いのだなと納得し、石版に目を落とす。
 石版には小さな窪みがある以外は特に目立った特徴も無かったが、セツはそれが何かを理解しているようで、自然な動作で親指をくわえる。が、歯が指に食い込む直前でふと動きを止めると、脇に抱えられた自分そっくりの亡骸を見る。
 そして亡骸を抱え直すと、もう二度と力の入ることのない腕を伸ばし、石版の窪みに血に塗れた亡骸の指を這わした。
 直後、亡骸の指に何本もの鋭い針が食い込み、鳥の声にも良く似た甲高い音が石版から発される。
『情報認証を完了致しました。適合率62%。少々不良ですが、失敗作と同じ遺伝子が含まれていることを確認しました。最終確認を行います。人類に新たな光をもたらす名は?』
「アルティフ・シアル」
 タシャに似た無機質な音声は、その回答に対して正解ですと告げ、目の前の扉の錠を開けた。
 針から解放された亡骸を再び担ぎ、横に開いていく扉の前に立つ。中から漏れてくるは青白い光と懐かしい薬品の匂い。
『では、本日も研究を進めて参りましょう。進化を、人類の手に』
「進化を、人類の手に……」
 アルティフの口癖を復唱し、セツはゆっくりと扉の中に入っていく。
 彼は常日頃その言葉を口にしていた。人類は文明に頼り、進化を止めてしまった。進化を止めた生物は滅ぶしかない。だから私は人類を新たなステージへと導き、更なる繁栄を臨むのだと。
 その思いの終着点が人と他の生物の遺伝子を掛け合わせた魔物であった。否、それはまだ彼にとって通過点に過ぎないのかもしれない。もっとも、彼はもうこの世に居ないため、直接聞くことは不可能なのだが。
 青白い光が射す部屋の中には無数のカプセルが並んでいた。その中は光と同じ青白い液体で満たされており、その液体の中には……、
「これが、あなたの望む進化ですか」
 数秒後、室内からはガラスが叩き割られる音と共に、大量の水が溢れ出てきた。

 ・

 この場所、気持ち悪い。
 蛇の能力でセツが潜り込んだ施設を発見したケミの口から、場所の拒絶の言葉が紡がれた。
 何でも、施設の中から沢山のセツの存在を感じるとのことで、その発言がウリハリの「セツがもう一人いた」というトンデモ発言の裏付けをしていた。ともかく、入り口で待っていても仕方がないと、彼らはもしもの時のために進む者と残る者を分けて施設を巡ることにした。
 班分けの結果、先ほどから動揺が大きいウリハリを残すこととなり、同姓が着いていた方が安全だろうと半ば強制的にケミも残ることとなった。
 それに対してケミは不服そうであったが、弱った者には一番強い者が側にいた方が安全だというクロハエの言葉に乗せられ、拍子抜けするほどあっさりと班分けを了承した。もっとも、嫌な予感がする場所に飛び込むことに気乗りしていなかったことも理由の一つであるだろうが。
 また、女性二人を置いていくことになるが、男性陣に彼女たちが奇襲による被害を受けるという不安は一切無かった。ただ貪欲に強さを求めるケミは単体戦の方が実力を発揮する。そして多勢に無勢、そして自分にハンデが有れば尚更強くなる、見方を変えればマゾ体質である。そんな彼女が今の状況で負ける図が想像できなかったのである。
 唯一心配があるとなれば、中々ソリの合わないウリハリに堪忍袋の緒が切れてしまわないかという事だけだ。
「じゃあ、ケミがウリハリに当たり散らさないうちに、ちゃちゃっとセツを回収しましょうかー!」
 任せろとふんぞり返っているケミの声を受けながら、男三人は施設の廊下を歩き始める。
 全く協調性のない二人をまとめ、クロハエは先陣を切って歩こうとするが、自分が先頭でないと気が済まないのか、ココーが割って入ってくる。何だお前はやる気がないくせに。と言うと、彼は無視してそのまま足早に廊下を進む。
「なあ、クサカ。あいつ最近変わったよなぁ」
「そうか? 平常運転だろ」
「いーや、違うね。何て言うか、感情が分かりやすくなってきた。そうだな。セツが昔に戻った位から。なーんか、此処最近でみんな色々変わってきたよなぁ。ケミは妹とわだかまり解消したし、ウリハリも明るくなったし」
「それがあいつのおかげだって言いたいのか?」
「何で怒ってんの? まあ、ぶっちゃけそうなんじゃないの? きっかけは全てセツだもの。俺たちもその内がらっと変わるかもしれないね」
「は、馬鹿馬鹿しい」
 ココーの後を追いながら、クサカはあり得ないと言うかの如く、不快そうに鼻で笑う。二人の話し声の他には彼らの足音しか聞こえない。
「変わるもんかよ。幾ら周りが変わろうが俺のあいつへの憎しみは消えねえよ。あいつはツミナを殺した。その事実がある限りな」
「その憎しみも、セツの計算の内だったりしてね」
「はあ?」
 まるで自分達がセツの手の上で踊らされているような発言に思わず睨みつけると、あくまで仮定だよと笑われる。
「でもさ、セツって昔から無駄な動きしないだろ? だからクサカの憎しみも何か計算があって生み出しているんじゃないかなーってさ」
「考えすぎだろ。馬鹿馬鹿しい」
 そう言いつつも、ずっと前からそうかもしれないと思っている自分がいた。
 しかし、それを認めるのは癪であるし、認めてしまえば自分は何を糧に生きればいいのか分からない為、クサカは意図的にその考えを除外していたのだ。
 いつだかケミが言っていた。あの子は許されることを恐れている。罪を償い、憎まれることを存在意義としているのだ、と。それに対し、クサカは何も言わなかった。彼もまた、セツを憎み、そして殺すことが存在意義だと感じていたからだ。
 人は支えを失えば、容易く崩れてしまう。最後の支えであるセツの憎しみを捨てるなど、クサカには出来なかった。
「クロハエ、クサカ。来い」
 いつの間にか部屋に入っていたココーに名を呼ばれ、クサカたちは話を止めて彼の元に駆け寄る。
 クサカたちが追いついたと分かると、ココーは手招きして彼らを部屋の中に招き入れる。部屋の中に入った彼らは、目の前にある物体を見て思わず息を呑んだ。
「何だ、これ……?」
 部屋の中には壁いっぱいにカプセルが並んでいた。
 そのカプセルには一つ一つ日付が書かれたラベルが貼られており、それらが何かしらの研究対象であることを示していた。だが、それだけならばクサカが疑問の声を上げることはなかった。問題は、そのカプセルの中身にあった。
 クロハエがそっと手を伸ばしたカプセル。そこには黒い髪に包まれるようにして眠る裸のセツの姿があった。否、それだけではなく、部屋中のカプセル全てにセツの姿があった。
「おいおい、笑えないねえ、これは……」
 腕が欠損しているセツ、目だけが異常に発達したセツ、頭部が複数有るセツ……この部屋にいるセツはほぼ全てが奇形となっていた。一見普通に見えるものも、ラベルに生体活動見られず。や、誰彼かまわず攻撃を行う。等、精神面での問題が挙げられていた。
 この部屋を見て、彼らはウリハリが言っていたことは嘘ではないのだと理解し、そしてここがどれほど恐ろしい施設であるかを知った。
 此処はセツを生み出す施設だったのだ。
「あり得ないだろ! なんだよこれ!!」
 余りに非人道的な光景に、クロハエは怒りを露わにした。
 周囲にあるのはカプセルに入った、どこか人とは違う様相のセツ、セツ、セツ……。そして壁にある棚には瓶詰めにされている恐らくセツのものであろう体の一部が納められていた。
「それ程までにセツは奴らにとって必要な存在なのだろう」
「ココー! お前、よくもそんなことを言えるな。これを見て何も思わないのか!?」
 あまりに淡々と状況を整理するココーの胸ぐらを掴み、クロハエはカプセルに彼を叩きつける。
 その衝撃で、液体の中のセツがゆらゆらと揺れる。薄く開かれ、もう二度と閉じることも開くこともない目は、ただ目の前の男二人に向けられていた。
「……ここで怒っても何の解決にもならん。お前だって分かっているだろう」
「分かっている。分かってはいるさ。でも、……こんなのはあまりにセツが可哀想じゃないか。これだと、あの子は益々自分のことを大切にしなくなる。自分のことを替えが利く道具だと思ってしまう」
「それはもう思っているだろう。あいつは、自分を道具としか思っていない」
「……今のあいつ、複製ってことは無いですかね」
 瓶を手に取ったクサカがぽつりと呟く。
 透明の瓶の中からは薬品で白く濁った黒い眼球がこちらを見返していた。
「いやいや、それはないって。だって、見てみなよ。コレ全部失敗しているだろ?」
「いや、そうとも言えんぞ。日付が今に近いほど、人の形に近付いてきている」
 確かに昔の日付は人どころか生き物であるかも怪しいほどの見るに耐えない姿である。が、日を増すごとにその形は多少のズレはあれど人に近いものとなっている。
 そしてその日付けは新しいもので今から七年前のものであった。七年でどれほど進歩が出るのかは分からないが、一番古いものが二十一年前であるところを見れば、完全なる人の形をしたセツが生み出されている可能性も否めない。
「嫌な予感がするな。早くセツを探そう」
 セツの標本に囲まれた室内で、なにやら薄ら寒いものを感じた男三人はココーの言葉に誘導されるようにして室内を出ようとする。が、彼らは廊下からこちらを見ている一つの影を目にして凍り付いた。
 それは今まさに探そうとしているセツであった。
 彼らがセツを認識した直後であった。凄まじい風と共にセツの頭部が脳漿を散らしながら吹き飛んだのは。
 頭部を失ったセツは一瞬ふらりと揺れた後、後方へと飛んだ頭骨を追うようにして後ろに崩れ落ちた。
 グシャ、というズタ袋が落ちるような重い音と共に生臭い臭いが周囲に蔓延する。その中で、セツの頭を吹き飛ばした張本人であるクサカは、端正な顔を嫌悪感に歪めて立っていた。
「クサカ、お前……」
 事切れたセツは全裸であり、また肘から下に三本の手が生えていたため、複製であることは明らかであった。
 しかし、それでも造形はセツそのものである。それを迷いなく殺めたクサカにクロハエは薄ら寒いものを感じた。
 セツの遺体の痙攣が収まらない内に、彼らは部屋を出た。
 屍の上は数え切れないほど歩いたとは言え、やはり気持ちいいものとは決して言えない。極力セツの破片を踏まないように廊下に出た彼らはまたしても望まないものを目にすることとなる。
 進行方向の廊下にはいつの間に現れたのか、先ほどと同じような虚ろな目をしたセツで溢れかえっていた。
「地獄だよ……」
 またしてもクサカがセツを殺める姿を呆然と眺め、クロハエは力なく呟く。
 豊かな自然に恵まれた肥沃の地。しかし、そこは魂無きものがさ迷う、この世の地獄であった。


79/ 91

prev next

bkm

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -