76
「ナツメ、喋ったね」
 懐かしい昔話に不意に挟まれた鋭い言葉。
 それまでの高揚していた気分は途端に冷え切り、口からはえ、あ、と意味のない単語の端々が漏れた。普段ならばとぼけることが出来ただろうが、今回は突然。それも懐かしい過去の話に心が温まっていた折りの不意打ちであったため、ただ狼狽することしか出来なかった。
 そんなナツメの姿をセツは責めも、追求もすることなく、ただじっと見つめるだけ。だが、罵倒されるよりも、ただ見つめられる方がナツメには辛かった。罵られた方が、責められた方がずっと気分が楽だからだ。
「だと、思っていた」
「……俺のこと、信じてくれてなかったの?」
 裏切りを予期していた。
 遠回しに不信感を抱いていたと告げられ、目の奥が熱くなる。
「俺、確かにセツに何一つしてあげられてない。父さんのように共に戦ったり、母さんのように傷を癒したり……。でも、でも俺だってセツに何かしてあげたかったんだよっ! セツは俺のことどうだって良いと思っているかもしれないけど、俺にとってセツは掛け替えのない家族なんだ。家族が死に向かっていて、どうして止めないでいられるんだよ! 何で俺の前から二度も居なくなろうとするんだよ!」
 溢れた感情は声となって流れ出す。
 三千年を経てやっと本人の前に現れた言葉は、ナツメの意志を無視し、矢継ぎ早にセツへと飛んでいき、セツの反論を防ぐ。
 セツが彼に声をかけたのは、ナツメが思いの丈全てを吐き出し、ぽろぽろ流していた大粒が止まった頃だった。
「どうだって良いだなんて思っていない。上手く説明できないけれど、ナツメは大事だと考えている。だから、私は信じていたんだと思う。ナツメが私のことを思って秘密を漏らすだろうと。ありがとう、ナツメ」
 思っても見なかった言葉に、先ほどとはまた違う涙が溢れる。
 だが、そんなナツメを前に、だけど、とセツは言葉を区切る。
「だけど、秘密を破られたのだから、それなりの対応をしなければならない。ナツメ、今日限りで私とお前は家族でなくなる。絶縁だ」
「ど、どうして……!」
 声が震えた。
 やっと分かり合えたのに。思っていたことを伝え合えたのに。なのに、セツと自分は他人となってしまう。そんな馬鹿な話があるものか。
「他言無用だと言った筈。それを破ったのだから、おかしいことは何もない。お前は、私の一番の秘密を漏らしたんだ」
 そう言ったセツの声はいやに冷たく、既にナツメを家族と認識していなかった。
「でも、信じているって言ったじゃないか!」
「ああ、言った。でも、それは私の一部であって、私自身の希望ではない。私の一番の希望は役目を果たすこと。一部の希望であれが暴かれては、支障が出る。まあ、結果的にはこうなって良かった」
「な、何を言っているんだよ……! 言っている意味が分からない!」
「元より理解してもらおうと等思っていない。否、理解されては困る。私はそういう存在なんだ」
「お前……誰なんだ」
 冷たい目でナツメを見下ろすそれは、セツと同じ姿をしている筈なのに、全く違う何かに見えた。
 月を背後にただ黙って直視するだけのそれは、ナツメの記憶にないセツだった。何故、どうして。混乱する頭の中で、その言葉達がぐるぐると頭の中で回る。
 そこで彼は自分がセツについて知った気でいたという、認めたくない事実を直視した。自分はセツのことを分かり切っていなかった。だから、セツの言葉の意味を理解できなかったのだ、と。
「私も、私が誰なのか分からない。けれど、分かりたいとも思わない。そんなものは私に必要ない」
 その言葉は、ナツメに向けると言うよりは、セツが自分自身に言い聞かせているような気がした。
「ナツメ、家族として最後の質問をさせてほしい。……子どもはまだ生まれていないんだね?」
 不信感を抱いたままその言葉に黙って頷くと、セツはそう。と相槌を打ち、何か小さく呟いた。
 優れた聴覚を持つナツメですら聞こえないその小さな呟きに、彼は何か引っかかるものを感じて聞き返す。が、セツがそれに答えることは無く、鋭い拒絶の言葉が向けられる。
「行け。もうここにお前の姉はいない。群に、帰れ」
 反論すら許さぬ冷たい言葉を一身に受け、心が引き裂かれそうになったナツメは素直にその場から走り去って行く。
 振り返ることも無く、ただ真っ直ぐに森へと帰って行くナツメを見送り、ぽつりとそれで良い。と呟き、
「ごめんね、ナツメ」
 届かぬ謝罪を口にすると同時に、遠くからナツメの遠吠えが空に響く。
 哀しみとも、怒りとも取れるその遠吠えを最後まで聞き、セツは結界樹の側に座る。
 傍らにある結界樹の根本からは、砕け散ってしまった結晶が静かに気化している。それは彼女が普段扱う結界が消えていくのと全く同じ現象。そう、全く同じ。
 一度気化してしまった結界は、固形から姿を変えてしまった結晶は二度と元に戻らない。それはセツ達シキが定期的に繰り返す再構築を行う結晶も同じ。つまり、セツはじわじわと迫り来る細胞の劣化に蝕まれ、衰弱して死ぬ未来が約束されたのだ。
 しかし、哀れに衰弱して死ぬ未来などセツは毛頭考えていない。彼女が考えているのは……。
 と、不意に両の目に強烈な痛みを感じ、セツは目を押さえてうずくまる。
 封印を解く度に両目を襲う強烈な痛み。その原因はヒワにあると気付いたのは最近のことであった。
 恐らく、彼は前もって自分の体が崩壊することを理解していたのだろう。セツの目に自分の片鱗を封じた彼は、セツ目覚めてからずっとセツの目を通して旅を、仲間達を見ていた。そして封印を解く度、彼の意志は強くなり、ミズチの封印を解いてからは彼の人格すら現れるようになった。
 最終封印を解けば、彼が自分の体を支配するのではないかと考えることもある。しかし、セツにとってそんなことはどうでも良い。いや、もしかすると、そっちの方が良いと思っているのかもしれない。
 セツにとって目的を達成することが何よりであり、その後のことなど知ったことではないからだ。だから結晶を壊すことが出来たし、ナツメと縁を切ることだって出来た。
 声を出すことも出来ない激痛と、同時に訪れる酷い倦怠感にただただ耐えたセツはふらふらとおぼつかない足取りで山の中へと入り、数分後、両手に山ほどの枯れ草を抱えて帰ってきた。
 それを空洞になったうろへと無造作に詰め込む。それは寝床と言うには余りに貧相であったが、眠ることが出来たらそれだけで十分なセツにとっては間違うことなき寝床であった。
「一人で寝るのは、久し振りな気がする」
 これまで、何だかんだで眠るときには側に誰かがいることが多かった。こうしてひとりぼっちで、近くに誰もいない状況というのは随分久しく感じ、同時にそんな事を考えている自分に気付いて少し顔をしかめる。
 ーーこれから一人の戦いが続くのに、何を考えているのだろう。
 小さくため息を吐き、濡れた服を脱いで枝にひっかけた彼女は、粗末な寝床へと飛び込むようにして潜り込む。
 疲れ切っていた体と精神は、やっと訪れた眠りという安息に両手を上げてしがみついてくる。それらにからめ取られるようにして遠のく意識の中、ふとセツは忘れかけていた事を思い出す。
 ーー封印の地は大丈夫だろうか?
 ナツメが漏らし、ココーが向かったという封印の地。
 そこは他人はおろかセツ自身も足を踏み入れてはならない禁足地。もし、誰かがそこに入ってしまえば、セツが今まで積み上げてきたものはいとも簡単に崩れ去ってしまう。
 本来ならばすぐさま駆けつけなければならないのだが、いかんせんこのぼろ雑巾のように疲れ切ってしまった心身は横になったが最後、びくとも動こうとしない。
 ーーあれがいるから、大丈夫か。
 頭すら満足に動かなくなった状態で、封印の地の番を司る存在の姿を思い描き、意識を手放す。
 数分後、うろの中からは規則正しい寝息が聞こえてきた。

 ・

 ーーおかしい。
 目の前を風の刃がかすめ、大地が大きく抉られる。暗闇でも見える目でもかわすことがやっとであったそれは、似たような能力を持つクサカとは比べものにならない威力と素早さを兼ねていた。
 それは休むことを許してくれず、次々とココーの体へ襲いかかる。しかもだ。その気になればいつでも致命傷を与えられるであろうに、ご丁寧に間一髪でかわせるような親切行き届く皮肉なサービス付きで、だ。
「どうした? 余計な事を考えていると、首が飛ぶぞ」
 鼻にかけたような声と共に、風の刃が首もとめがけて飛んでくる。
 咄嗟に頭上から垂れている千切れた注連縄の端を掴み、そのまま腕の力で上空へ身を投じる。下方の縄が切り裂かれるのを目の端で追い、空中で一回転して着地する。
 ーーおかしい。
 間髪入れずに襲い来る風の刃の数々を避け続けるも、避けるばかりで距離は全く縮まらない。それ程までに、相手は攻撃に隙がなかった。
 しかし、避けてばかりでは事態は一向に変わらない。恐らく無駄だとは思うが。そう呟いて懐から短剣を取り出して相手目掛けて投げつける。
「汚れた物を持ち込みよって。……不快だのう」
 案の定短剣は目標を貫くよりも早く風によって巻き上げられ、遙か上空へと投げ出された。
 上空で何かに短剣が刺さる音を確認したのかしていないのか。はたまた確認する気などは毛頭無いのか。ココーをまるで赤子扱いするそれは頬杖を付いたまま、つまらぬな。と口にする。
 それが自分に向けて放たれた軽視の言葉というのは、ココーでも理解できていた。が、今はそれ以上に気になることがあるため、構えるような余裕はなかった。
 彼の前、注連縄が掛けられていた二対の巨大な杉の間にある岩の上には、雪のような白く長い髪に、金色の目をした獣がいた。それは頭に鹿によく似た二つの角を生やし、華奢な体に生えた四つの四肢からは刀のような鋭い爪を備えていた。
 そのような異質な特徴を備えたものと言えば、ココーは一つしか覚えがなかった。いつかも分からない遙か昔に絵本で見た「龍」。あくまで伝承でしか伝わっておらず、この目で見た者などいない存在。それが目の前にいる。が、伝承で伝わっているような天に届くような立派な体ではなく、猫と同じような大きさしか無かった。
「やっぱりおかしい。龍がそんなに小さいわけがない」
「貴様、まだ痛めつけられたいと申すか」
 龍が爪を少し上げると、つむじ風がどこからともなく現れてココーを吹き飛ばした。避ける余裕も与えない速度に、彼は為す術もなく背後にある樹へと叩きつけられてしまう。
 この龍はココーがこの地に張り巡らされていた結界を破壊すると同時に内側から現れ、あざ笑うかのように彼を翻弄し続けている。恐らく、これがナツメの言っていた番人とやらなのだろうが、その力は想像以上であった。
 龍は見てくれこそ小さく、少なからず龍という存在に憧れを抱いていたココーの心を踏みにじったが、その力は本物であり、先ほどから彼は龍の指先一本で弄ばれている。が、やはり龍が小さいというのは納得出来なかった。
「龍というのは大きいものだろう」
 しつこい。と、また吹き飛ばされる。
 もはや起き上がり小法師のように転けては立ち上がるを、馬鹿の一つ覚えのように繰り返す彼に、龍は呆れたようにため息を吐く。
「貴様等人間はいつまで経っても表面上でしか物事を判断しないのだな」
「俺は、人間ではない」
「ふん、馬鹿馬鹿しい。人間を少し弄くっただけであろう。スイカに塩をかけたのと同じようなものだ。大層に言いよって。貴様等シキはまだそんな下らぬ事に拘っているのか」
 龍の言葉に疑問を抱く。
 まだそんな下らぬ事に拘っているのか。
 誰が龍にそんなことを言ったのか。それは結界を施したセツ以外にあり得ない。が、命令以外興味を抱かないセツがそんなことを言ったとは考えがたい。
「セツが言ったのか?」
「セツ? ……そんな者は知らん」
 セツの名を聞いた途端、明らかに龍の目は不快の色を示した。
 明らかにこいつは何かを隠している。それに、先ほどからの殺意のない攻撃、話し始めてからぱたりと止んだ追撃。拒絶したと見せかけての意味深な発言。何から何まで引っかかる。
「お前はいったい何なんだ」
「貴様こそ何なのだ。あの小娘を知りたくて来たのではないのか」
「ああ。セツのことを知りにきた」
「そんな名は知らん」
 意味が分からない。
「だから、小娘とはセツのことだろう」
「そんな名は知らんと言っておるだろう。他者の言葉の意味をしっかりと理解しろ。貴様の頭は飾りか?」
 余りに上からの物言いに、さすがに頭に来る。が、刃向かったところで叩きのめされるのは目に見えているので、そこをぐっと堪え、素直に龍の言うとおり考えてみることにした。
 すると、答えは存外早く見つかった。
「その小娘はお前とどういう関係だ?」
 そこで龍はにやりと笑う。どうやら、正解だったようだ。
「遙か昔、ひょんな事でこの地に降り立ち、少し暴れた私をあやつは騙してねじ伏せたのだ。それ以来、私はここで番を押しつけられている。主従関係に近いな」
「この先には何がある?」
「小娘の故郷だ。お前たちに襲われ、数多の血が流れて焦土と化し、小娘が全てを捨てざるを得なかった、忌まわしき地」
 龍の目は笑っていたが、その言葉には殺気が込められていた。
 殺気にあてられ、瞬時に全身に鳥肌が立つ。それを悟られぬよう平静を保つ。そして気を紛らわす為に龍の言葉を整理してみる。
 恐らく、小娘というのはセツの元となった人間の事だろう。
 龍の話によると、その小娘とやらはこの龍を従え、焦土となった故郷の番をさせているらしい。そして龍の関心はあくまで小娘に向けられており、小娘の遺伝子を継いだセツには何の興味も無いようだ。
 しかし、だ。うっすらと残っている記憶では、小娘は故郷を焼き払われたと同時に死んでいるはず。なのに、どうして龍に番を命じることが出来たのだろうか? 前もって頼んでいたというのならば納得できるが、どうもそんな気はしなかった。
「お前が番を命じられたとき、小娘とやらは生きていたのか?」
「ああ、辛うじてだがな。だが、それ以降はいかん。いや、戻ってはいたか……。しかし、最近はもう掴めぬ」
 なにやら訳ありな物言いをした後、龍はさて、と言って舌なめずりをする。白い鱗の上に紫がかった舌が這う様はどこか不気味で、ココーは思わず身を堅くした。
「仮にもこの地の番を任された我にこれだけ喋らせたのだ。ただで帰ろうとは思ってはいまいだろうな?」
 そのように誘導したのは誰だ? 喉まで出かけた言葉を飲み込む。文字通り、龍の逆鱗に触れたら、ただでは済まないとココーも少なからず理解しているのだろう。
 とはいえ、まずい状況であるには変わりない。
 ーー何を要求されるのだろうか。龍の要求と言えば人柱だろう。たぶん。ならば、隙をついて龍の心をこじ開けて逃げるしかないな。
 この場からの脱出を模索するココーの気持ちを知ってか知らずか、龍は玉鋼のごとく鋭い輝きを放つ牙を覗かせ、
「我の質問にも答えよ。貴様、何故そこまで小娘の事を嗅ぎ回る? 所詮、あれは貴様等にとっても道具に過ぎぬ。利用して壊すが最善の方法であろう?」
 てっきり身を捧げよと言われるとばかり思っていたココーは、遙かに軽い取引に肩すかしを食らったような感覚に陥る。
 まあ、それの方がありがたい。そう思い直し、龍に向き直る。
「それは……何故だろうな?」
 が、改めて言われると、何故自分がそこまで躍起になってセツのことを知ろうとしているのか分からなかった。
 今まではただ漠然と、セツを知れば何かが変わる。と思っていた。が、何がどう変わるのか考えたこともないし、そもそも知ってどうするのかも分からない。
「貴様ふざけておるのか」
「俺はいつだって真面目だ。しかし、改めてそう言われると分からない。そもそも俺は思考の言語化が苦手なんだ。なあ、お前何で俺はセツのことを知りたいと思ったんだ?」
「貴様、馬鹿だろう」
「ああ、セツには良く言われるな」
 質問を質問で、それも全く同じ文面を返してくるココーに呆れざるを得なかった龍は、親切にも答えに疑問をぶつけて行けば、自ずと求める答えにたどり着くと助言をくれた。
 が、ココーにはその意味が分からなかったようで、お前は何を言っているんだ。と言わんばかりの目で見るのみ。今度こそ呆れた龍は、仕方なく彼の答え探しに付き合ってやることにした。
「何故小娘について知りたい?」
「それを知れば、セツについて理解できるかもしれないからだ」
「理解してどうする?」
「今のところ、俺達の呪縛を解くにはセツの死以外に考えられない。だが、セツについて知っていけば、その方法を回避できるかもしれない」
「……何故死を回避したいのだ?」
「セツを死なせたくない」
「何故だ? 目的を達成すれば、あれの価値など……」
「価値など関係ない。セツはセツだ。理由などどうだって良い。と言うか俺にもわからん。とにかくそこに居ればいい」
 やや食い気味に発された言葉に、龍は少し目を丸くする。
 龍はココーのことを知っていた。自分で物を考えず、命令をこなすしか能がない操り人形。それが龍の知っているココーの情報だった。もっとも、それを伝えた本人は何の因果か、その後龍にこの地を任せた後、操り人形に成り下がってしまったのだが。
「はっきりとした理由もなく来たというのか。ほんに、馬鹿な奴よのう」
 答えを言い切らない姿勢には少々引っかかる物があるが、この際構わない。操り人形であったココーが多少なりとも自分で物を考えられるようになったのには、セツが大きく関わっているからだろう。
 彼をここまで変えた彼女ならば、或いは……。
「ふん、まあ良かろう。だが、貴様では今のあれを理解することは出来ぬ。メギドの結界を破ったと言うことは、あやつはもう覚悟を決めておる。覚悟に縛られたあれは最早他者を寄せ付けぬ」
「なら、どうすればいい」
 恐らく帰る場所も手放したであろうセツは、この後目的を達成するためだけに行動するだろう。多くの繋がりと、今までの軌跡全てをかなぐり捨て。
 失う物を無くした存在は、脆いか強靱かに分かれる。セツはその二つの内、強靱な方に分類されるだろう。その意志は最早訂正する術を知らない。しかし、一つだけ、たった一つだけ強靱さも何もかも無くしてしまう方法がある。
 それは……。
「壊してしまえ。今のあれを、完膚無きまでに」


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