49
「レイール」
 名を呼ぶと、彼は虚ろな目をセツに向けた。
 その目からは別れる前に見た「生きたい」という意志は全く感じられない。まるでその意志を吸い取られたようだ。
 コルムナが何か言っているが、セツの耳には入らない。否、彼の陳腐な自己養護の駄弁に付き合っている余裕など無かったのだ。
「レイール」
 もう一度呼ぶと、彼はゆっくりとセツの方へと歩み寄ってきた。
 よくよく見ると彼はセツとは違い、足枷等の拘束具を付けられていない。となると、彼はこの儀式を進んで受けたか、もしくは逃げる気すら起きないよう洗脳されたということになる。
 そして感情を失ったようなレイールの顔を見れば、後者だというのは明らかである。自分が投獄されている間に、レイール身に何が起きたのか。それを思うと、言いようのない激情がこみ上げる。
「さあ、レイールよ。お前の手でそれを葬れ」
「はい、父上」
 懐から短剣を取り出し、レイールは静かにそれを構えた。
 何を言っても、レイールの耳に、心に届くことはない。彼の心は、今……。
「レイール、レイール!」
 幾ら叫んでも、名を呼んでも、彼の目は揺るがない。
 動こうとして気付いた。自分には枷がつけられており、自由に動くことが出来ないのだと。
 首に帯びた熱が、次第に体の隅々に広がっていく。息苦しさと倦怠感に苛まされながら、セツは何とか鎖を外そうともがく。
 しかし、どれだけもがこうとも、鉄製の鎖が切れることはなく、それによって観客は「死から逃れようとする獣」のパフォーマンスに湧く。
 虚ろな人形と化したレイール。それを満足げに見下ろすコルムナ。命を掛けた儀式に興奮する観客。それらを見たセツの中で、何かが切れた。
「ふざけるな! 何を喜んでんだよ!? お前ら、目の前で何が起こっているか分かっているのか!? 人が死ぬんだぞ!?」
「お前は人じゃないだろ?」
「魔物が死ぬのを喜んで何が悪い!? 私の部下は魔物に殺されたんだ!」
「そんなこと言って結局は自分が死にたくないだけだろう? 王子、早く殺してください!」
「私が死ぬのは別にいいよ。でもな、その後にレイールは死ぬんだぞ!? お前達はそれを理解しているのか!?」
「別に構わぬ。レイールはその定めの下に生まれたのだ。役目を全うして死ぬ。それがレイールのこの上ない幸せよ」
「死ぬことが幸せ? ……馬鹿言うなよ。お前、本当にレイールの父親なのか? 紅茶を飲んでいるときのレイールの顔、見たことあるのか? 母親の話をしている時、散歩をしているとき、他愛もない話をした時、レイールがどれだけ嬉しそうな顔しているか、見たことあるのかよ!?」
『多量の魔物の遺伝子が浸透しています。形態維持、困難。一部の機能が失われる可能性がありますが、形態変化に移行しますか?』
 体の芯が熱くなる。頭が沸騰してしまいそうだ。
 タシャが何か言っているような気がするが構っていられない。
「そんなものまやかしに過ぎぬ。それはこの為に生まれたのだからな。私とて、息子を失いたい訳ではない。どうして愛しい息子を失わなければならないのか! お前という存在が、お前達魔物という存在が息子の死を決めたのではないか! しかし、私は国王だ。息子一人の命と無数の民の命を救えるならば、私は……」
「もういい。喋るな。あんたのおべんちゃらは聞き飽きた」
 巧みな言葉捌きで民衆の同情を得、レイールの死を回避しようとしないコルムナに、とうとうセツの堪忍袋の緒が切れた。
 ふらふらと短剣を手に持ったまま近付いてくるレイールをもう一度見、セツは視線をコルムナへと戻す。
「誰が人の皮を被った化け物だ。馬鹿みたいに同調しか出来ない奴らと、息子の命より自分の立場が大事な奴が人間だとしたら……、私は魔物で良い」
『同意確認。形態、能力、解放します』
 タシャの声と同時に目映い光がセツから発される。それを見た観客は悲鳴を上げて逃げまどう。身じろぎもせずにその様子を見ているのは、フラウデの面々だけであった。
「っこの際レイールでなくても構わぬ! 誰かあの化け物を仕留めよ!」
 まずコルムナの命に従ったのは銀髪の騎士、エウロペであった。
 剣を抜き、足早にセツの元へと向かう年若き騎士を見た他の騎士は、一度迷う素振りを見せた。しかし、尚も退かぬその背中を見、一人、また一人と剣を抜く。
 最早セツを覆っていた光は目も開けられぬような、強烈な光になっている。そんな中、カランと金属の塊が落ちる音がし、直後に天井に穴が空き、沢山の瓦礫と共に何者かが降りてきた。

 轟音と共に砂煙がもうもうと上がる中、エウロペは剣先に確かな感触を感じていた。
 本来ならばこのまま切り裂くべきなのだろうが、相手がレイールの友なだけに少しの迷いが生まれる。一拍置いて剣を振り切ろうとするが、その前に剣を掴まれたのか、動けなくなる。
「エウロペ?」
「レイール様は無事か?」
「うん。私じゃなくて自分を刺そうとしたけど、何とか無事」
 目を開けることすら困難な状況下で、やや掠れてはいるが聞き慣れた声がした。
 柄にもなく安堵している自分に驚いていると、剣がぐいと引かれる。恐らく、セツが刺さっていた剣を抜いたのだろう。
「セツ無事? はやくおいで」
「はいよー。エウロペ、そのまま真っ直ぐ歩いてきて。足下、気を付けなよ。瓦礫やら人やら内蔵物とか色々落ちているから」
「待て、今の声は誰だ? どこへ向かうんだ? それに、さっきの光は……」
「触れないで」
 突然の拒否の言葉に、肩を掴もうとした手が止まる。
「ごめん。ちょっと今は触られたくない事情があるんだ。そうだ、この土埃、目に悪いから開けない方がいいよ。先導するから、目を閉じておいて。ああ、ええっと、今の声は私の仲間だよ。天井破ったのも、そう」
 未だ瓦礫が崩れる音が大きく響く中で、徐々に群衆や他の兵達の声が聞こえてきた。
 兵士達は現場に慣れているだけあって落ち着きを取り戻しているようだが、集まっていた貴族達はパニックを起こして現場をかき回しているようだ。目を開けずとも、ヒステリックな怒声とそれを宥める兵士の声で十分に理解できる。
 ーーそう言えば、陛下はどうなったのだろうか?
 天窓はコルムナの真上に位置していた。その天窓が崩壊したならば、ただでは済まないだろう。
「あ、セツさん……」
「おはよう、レイール。目、明けちゃ駄目だよ。……良かった、自我が残っていて。辛かったよね?」
「いえ……。ううん、嘘はいけませんね。毎日毎日自分の存在全てを否定され、母の死もセツさんが捕まったのも自分のせいだと思いこみ、凄く、辛かったです」
 ピイィと鷲の声がしたような気がした。鷲。そう言えば、昔、マニャーナ国に滅ぼされた国の紋章が鷲だった。政略争いによる戦争だったと言うが、この国はその国の一人の娘が欲しいが為に戦争を起こしたという一説があるらしい。
 セツの意外に丁寧な先導に従って進んでいると、何かにつま先がぶつかった。何気なく目を開けてみると、未だ濃い土埃の中で柱に押しつぶされて死んでいる貴族の姿が見えた。
 顔半分が無くなっているものの、その特徴的な顎から彼がウニ家の者でであることが分かった。ウニ家といえば、ベネノがパライソを手にするきっかけを与えたものである。
 ーーあれだけふんぞり返っていた者も、死ぬときは呆気ないものだな。
 浅からぬ因縁があるウニ家の者の無惨な死に様を見ている内に、違和感に気付いた。
 鼻から上が潰れてしまっているウニの口から、人のそれとは明らかに違う、異様に長い牙が覗いていたからだ。
 しかし、どう考えても人の歯が十センチ以上になる訳がない。疲れで見間違えたのだろう。そう思い、正面を向いたエウロペはまたもや自分の目を疑う。
 ーー大きくないか?
 少し前を歩くセツの姿が、異様に大きいのだ。埃で良く見えないが、普段の倍近くは大きく見える。
 そもそも、160そこそこのセツが170のレイールを抱き抱えている時点で何かがおかしい。そして頭部に何かがあるため、更におかしい。
 ーー疲れているのか。
 しばしの間目を瞑り、目頭の間を押さえる。
 次に目を開けると、そこにはいつものセツの後ろ姿があった。ああ、やっぱり疲れていたんだな、と安堵する。
「セツ!」
 ハスキーボイスの女性の声に顔を上げると、細身の女性と、巨漢の男が駆け寄ってくるのが見えた。良く良く見ればこの二人には見覚えがあった。確か、女中と兵士として働いていた者達だ。
 エウロペが警戒を怠らない一方で、セツは彼等と一言二言言葉を交わすと、レイールを下ろして手招きする。
「ああ、ええっとこちら私の仲間のケミと……」
「自己紹介している場合じゃないでしょ」
「……と言う訳で、手短に説明します。今から私達此処から逃げるんだけど……エウロペ、前もって言っておくね。私はエゴの塊だよ」
「知っている」
「あ、そ。んじゃ話は早い。私はレイールを外へ連れて行く。それはレイールも了承済み。でも、レイールは外のことを何も知らない。初めてのお使いすらしたことがない。だから、レイールを守って、様々な事を教える人が必要だ。その役目をエウロペ、あんたに担って欲しい」
「俺はもうレイール様の護衛から外れている。お前がすればいいだろう」
「出来るものならやるさ。でも、私はしなきゃならないことがある。レイールを同行させるのは酷すぎる。それに、私こんなのだし……。悔しいけど、頼めるのはあんたしかいないんだよ」
 馬鹿らしい。心底馬鹿らしい。
 エウロペとレイールの関係はもう終わっている。よって、彼にとってレイールは特別な対象ではない。極端な話、先程死んでいたウニ家の男とレイールは同列と言っても過言ではない。
「断る。それは命令に含まれていない。それに、レイール様について行けば、俺は必然的に国を裏切ることになる。そんな割に合わない仕事に就ける訳がない。むしろ、レイール様を逃亡させるのならば、俺はお前達を見逃すわけにはいかない」
「相変わらずの石頭め。そんなこと言っても、あんたさっきレイール助けてくれたじゃん」
「あれは陛下が命じたからであって……」
「その割には一番に駆け寄っていたけど。私に剣まで突き刺してさ」
「だから命令されたと言っている!」
「その割にはコルムナの前素通りしてたよ」
 まさかと周囲を見渡すと、セツが非常に不愉快な笑みを浮かべて一点を指さしていた。
 目を凝らして見ると成る程、柱と柱の狭い空間にいるコルムナの姿を発見する。
 最悪なことにコルムナは意識があるようで、憎らしげにこちらを睨みつけている。
「あ、あれはお前が目を閉じていろと言ったから……」
「そは事実だけどさ、あのおっさんは根に持つぞ。それはもう、イチジクの根のように頑丈で抜きにくい根をさ。例えあんたが戻ったとしても、そりゃあまあ雨霰のような不条理な嫌がらせ。いや、裁判にでもかけられて処刑もありえるなー」
「お、お前、まさかこれを計算して……」
「さあね? 言ったでしょ、私はエゴの塊だって」
 わっはっはと、女性にには到底似つかわしくない笑い声を上げるセツの傍らで、可哀想な騎士は取り返しの付かない事態にうなだれるしかなかった。
 ピィと、先程よりずっと大きな鷲の声がした。
 高笑いを止めてそちらを見ると、砂塵の奥に光る二つの目があることに気付く。それはまるでセツを値踏みするように高貴な目で見下ろした後、その荘厳で美しい姿を現した。
「綺麗……」
 何の捻りも無い言葉が出るほど、その姿は美しかった。
 砂塵の中には金色の巨大な鷲が佇んでいた。気高い風格を持った鷲は尚も鋭い眼光でセツを見据えている。状況から見るに、天窓を突き破ってきたのは恐らく、否、確実にこの鷲であろう。
「早く来い」
 軽く人の三倍はある鷲に見とれていると、相変わらずの抑揚のない声がした。あろう事か巨大な鷲の背から現れた男ーーココーは声と同じく抑揚のない顔で、
「……そいつらも連れて行くのか」
「当然!」
「無駄だな。分かった、乗れ」
 忘れているであろう「何を言っても」を脳内で補足し、セツはレイールを抱えたままで、そしてうなだれているエウロペの手を引いて鷲へと向かう。
 上にいるココーにレイールを渡す際、セツが鷲に蹴り飛ばされるというアクシデントはあったものの、無事に乗り込むことが出来た。
「いや、一件落着で良かった! 良かったけども、何故私はこんな扱いなんだ?」
「仕方ないでしょ。ク、こいつが乗せたくないって言うんだから」
 ココー、レイール、エウロペは鷲の背に。ケミは鷲の足に。そしてセツは鷲の爪で摘まれた状態で。鷲がセツが乗ることを異常なまでに拒否したため、彼女は半ば瓦礫に埋もれた状態でフライトを待っていた。
「いや、それにしても異常だよこの扱い。だってこれ、思いっきり鷲に踏みつけられているからね。重いからね、これ。あとさ、なんでケミ血塗れなの?」
「ん? 返り血。ここに寄ってくる騎士を相手にしていたらこうなったの。飛び立つのに邪魔入ったら嫌でしょ?」
 爽やかに笑いながらえげつない発言をするケミに、セツは乾いた笑いを返すことしかできなかった。
 そう言えば、ケミは仲間一血の気が多く、好戦的な性格で、誰よりも人間を嫌っていた。恐らく、此処へ乗り込んだときも、逃げまどう兵士を捕まえては、ちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返していたのだろう。
「出るぞ」
 ココーのかけ声と共に、鷲が足にぐっと力を込める。
 上からの圧力にすっからかんの胃の内容物は愚か、臓器すら飛び出しそうになる。それを賢明に堪えていると、大鷲は二対の大きな金色の翼を力強く羽ばたかせ、巨大な体を宙に浮かせる。
 生まれて初めて経験する飛翔。
 落下ではなく、上昇する感覚。
 大地からの束縛から離れ、大空へ自由に舞う体験に、セツ、レイール、そしてエウロペは各歓喜の声を上げた。
 最下方にいるセツにとっては、お世辞にも快適とは言えないフライトであったが、それでも宙を舞う感覚は素晴らしいもので、彼女は土埃で止まらない涙を拭いながら、離れていく地面を見つめる。
 ーー逃がして、なるものか。
 タシャのように頭に流れる声を感じたセツは浮かれていた心境から、我に返る。
 今聞こえたものはタシャのものとはまるで違う、憎しみに満ちたものであった。
 一体どこから聞こえたのか。目の前に薄い結界を生み出し、砂埃が目に入るのを防ぎながら、セツは瓦礫に埋もれた室内を見渡す。
 その間は僅か数秒にしか満たない。けれど、セツにとっては全てがスローモーションに感じられた。そしてそれは、コルムナがいた場所から青白い光が放たれるまで続いた。
「危ない! 早く上昇して!」
 コルムナが挟まれている場所から青白い光が漏れていることに気付いたセツは、声を張り上げて鷲に命じた。
 が、鷲がそれに反応するよりも早く、青白い光は六本の氷柱へと姿を変える。そして氷の柱は宙で二、三度回転すると、真っ直ぐにこちらへと飛んできた。
 空を裂く鋭い音と共に、一メートル程の氷柱が真っ直ぐと鷲に、セツに向かって飛んでくる。このままではセツだけではなく、鷲に乗っている全員の身が危ない。
「クッソ……! タシャ!」
『能力再可動まで少々時間がかかります』
「そんな悠長な事言ってる暇……」
「何くっちゃべってんの?」
 言い合う側で、タンと軽い音を立ててケミが鷲の足から飛び降りた。
「やっぱ、こうでなきゃね! セツもおいで!」
 ほぼ無理矢理鷲から引きずり下ろされ、ぎゃああと色気もへったくれも無い悲鳴を上げる横で、ケミの体が紅色の光に包まれていく。
 その様子から彼女の能力が発動されているのは明らかだ。だが、セツは彼女が何の能力を保持しているのかを知らない。知っていたとしても、落下中にそんな事を考える余裕はない。
 軽く走馬燈が流れるセツの前で、ケミは向かってきた氷柱へと、痛烈な蹴りを繰り出した。
 氷が砕かれる甲高い音と共に無数の氷つぶてが宙に舞う。ダイヤモンドのように様々な角度から光を放つつぶてには目もくれず、ケミは続いて来た氷柱も同じように破壊していく。
 宙に舞いながら、氷を砕くその様は圧巻の一言で、寸部の無駄もない洗練された動きはただただ美しかった。
 ケミより早く地上に落下と言う名の着地をしたセツは、頭上で繰り広げられる現実離れした光景に唖然と傍観しながらも、すぐさま我に返って状況を把握しようとする。
 飛行中の鷲から降りてしまった手前、敵の攻撃を避けながら鷲の元に戻るのは難しい。かといって、自分達を同じような異能を持っている相手を倒すような悠長な時間もない。セツの記憶が正しければ、今ケミが戦っている相手の能力はかなり厄介なものだからだ。
 鷲に戻ることも、相手を倒すことも出来ないので有れば、残る道は一つである。そう、一旦この場から撤退し、後で鷲と合流する事だ。
 逃げ道がないかと周囲を見渡していると、部屋の壁に大きな穴が空いていることに気付く。確か、あの方角は下水が有った方向の筈だ。
 庭師の頃に、下水の掃除に行かされた事を思い出しながら、セツはもう一度頭上を見上げた。
 未だ空中に在住中のケミは今、猛スピードで突っ込んでくる最後の氷柱を鷲掴みにし、まるで槍のように相手に投げ返した所だった。
 最早自分とは次元の違う戦いっぷりに賞賛の拍手を送りつつ、セツは綺麗に着地した彼女の手を引いて穴へと向かう。
「ココー! 後で合流する。今はレイールとエウロペを連れて先に行って!」
 もうもうと新たな砂煙が舞う中で、頭上のココーに手早く告げる。
 いったん空に出てしまえば、レイール達が危険にあうことはまず無いだろう。それに、万が一のことがあっても、ココーがいる。腕だけは確かな彼がいれば……、
「おい、何て言った?」
「いやだから、先に行ってって……っておい! 何で降りて来てんだよ!」
「ああ、そう言うことか。先に行け」
「あんた馬鹿だろ! いや、間違いなく馬鹿だ。大馬鹿者だ!」
「あー、もう。せっかく砂煙で隠れてんのに、そんな大声出すとバレるよ。ほら、さっさと走る」
 セツの思惑など何のその。鷲を先に退避させたココーは、まるで自分が指揮したかのような振る舞いで、セツ達を横穴から外へと先導したのであった。


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