side:未来
「ごめん、ごめん、ごめんなさい……」
「もういいから泣き止めってー。道行く人が俺のこと人拐いと思うじゃんかー」
「うう、ごめんなさい……」
吉澤に手を引かれて帰る。駅で会った瞬間、申し訳なさとか寂しさとか、いろんなのが溢れて、顔が上げられなんなくなった。手引っ張られながら、ぐちゃぐちゃと顔を擦った。
吉澤の家に着いてからも隅っこに座ってたら、お茶が出てきた。
「はい、粗茶ですが」
「…………シャンパンないの」
「ビールはあるけど、何でも酒に頼んない」
「…………」
図星さされて仕方なくお茶をすする。無言の時間が流れる。俺が口火切らなくちゃ、何か弁明しなくてはと思うのに中々考えが纏まらない。結局シンプルな言葉しか出てこなかった。
「……ごめん」
「んー」
「妬いてくれる、かな、って、ちょっと、試した。ご、ごめんなさい、ぐっ!」
両頬を引っ張られる。いひゃい。
「いきなり帰るからびっくりしたわ」
「ほめんらひゃい……」
「まぁいいや。こういう悪い、悪くないめんどくせぇし。もうすんなよ」
そういって結局ビール出てきた。もうこの話は終わりってことっぽい。頬はヒリヒリしてたけど、なんか肩透かしくらって変な感じ。恐る恐るさらに追及する。
「……怒ってない?」
「びっくりしたけど、駅で見たらあの顔」
「?」
「迷子の小学生でも今時あんな顔しないから、どうでもよくなった」
迷子の小学生!?どんな顔だそれ!!怒ってないみたいだけど、なにそれ!
「なっ、どんな顔!?」
「まぁみくが俺にメロメロって分かったし、とりあえずどうでもいいや」
「なぁって、どんな顔してた!?雄佐も清もいたんだけど!!」
「さー」
そうやってゆさゆさ問いただして揺さぶってたら、なんかいつも通りで、楽しくなって。おかしくなって抱き付く。
「吉澤は俺が女の子といてやじゃないの?」
「よかないけど、みくモテるし仕方ないでしょ」
そんなことはなくはないけど、そんなこともないんだ。
「…………仕方なくない。吉澤は仕方なくできる唯一の霊長類なんだから、全く仕方なくない」
「えーどういうことー」
「だからぁ」
抱きついて顔見ないようにして言う。
「だから、他でもなく吉澤なら、吉澤だけは、やめろって言われれば、ちゃんとやめるし。……だから、やめろって言って欲しかっただけ。
だから、もうしないから、仕方ないなんて言うなよ」
けっこうなこと言ったが、返事はない。なんだよ、まだ怒ってんじゃん。
「…………」
「なんか返事して、恥ずかしい、ふぎゃっ!」
と、思ったら首のとこに噛みつかれ、吸い付かれる。あ、やば、俺首回り何もしてないから、痕になったらまずい。あ、血出たとこ舐められた。血出たとこ、舌先なぞるとゾクゾクする。
「あ、あっ」
「ぷはっ、綺麗にできた。そんな事言ってー、みく、俺めんどくさくなるぞー」
首にはくっきり、綺麗なくらいくっきり、キスマークと歯形。露骨なそれと対照的に、冗談めかして言われる。到底それは冗談ぽくなくて、マジっぽい顔に今日一嬉しくなった。
「っ、別にいい。なら俺もめんどくさくていい?」
「いーよ、もう。身動き取れないくらいのが落ち着くし」
「!!(や、やったぁ……)」
こうやって、縛り付けたりして、夜中に電話して、アポなしで突撃して、飲みに怒ったり、怒られたりして、こんな、こんな、めんどくさい、めんどくさい、めんどくさいめんどくさいこと、俺、本当はずっとしたかったのかも。
「んあーあーすきー吉澤すきぃ、ちゅうしれー」
「あーもー飲みすぎ、相変わらず酒癖悪いな」
「ちゅうしれー!」
ビールが気付いたら、日本酒になってて(買い足しただけ)、視界がぐわんぐわんする。まだ吐きそうじゃないからだいじょぶ。さっきから吉澤が水飲まそうとしてて、やだ。
「ちゅうしれ、えっちしよ、えっち」
「はいはい、水飲んだらな」
ぱぱっと自分の服脱いで、ちょっと寒いから落ちてた吉澤のパーカーだけ羽織る。ちょっとだけ袖が余る。それでセクシーポーズ、反応は極うすだった。
「かれしゃつ、かわいー?」
「はいはい、可愛い可愛い。水飲め」
「心こもってねーぞー!!」
「酔っぱらいうっせ!……かわいいよ」
「キモい」
「ぶっ飛ばすぞ」
「キモかっこいいの略ー」
「結局キモいのかよ!」
ねっころがって、足を開く。やっと諦めたのか、そこを掴まれて、しゅこしゅこと上下に擦られる。摩擦でちんこだけ熱い。徐々にむずむずと、んあー。
「んあっ、や、あー…あー…」
「寒いし酒入ってるし、勃たねぇかな」
「んあ、あっくち、くちでしてっ」
「ん」
ぱくっ、ちんこ、あったかくて、ぬるぬるの口内に呑み込まれる。あ、あったかい、口でしごかれんのすき、きもちいい、あーそんなずびずび引っ張られると、熱くて傷口が腫れ上がるみたいな。じゅぶじゅぶと口でしごかれて、横からなめ回されて、吉澤が口離したらビンビン。
「っは、勃った」
「んあ、やぁ、あー…」
「あ、そうだ。そういえば前買ったので出してないのあったわ」
「え、前の……??」
持ってこられたのは、つ×みちゃん(オナホ)。あれ、こんなん俺ら買ったっけ??俺覚えてるのはアナルのやつだけなんだけど。
「こんなん、買ったっけー…?」
「なんか近くにあったから、ついでに買っといたやつ。みくがこないだの無理だったら使おうかと思って」
ふーん。そうして吉澤がオナホの中にとくとくローション垂らして、俺のちんこにずにゅっと。
「はぁっん!」
オナホって使ったことなかったけど、流石技術の国、日本。きゅうきゅうと、竿締め付けて、思わず、足先まで震えが走る。きもちい、きもちーよぉ、頭が悪くなるような衝動に呑み込まれる。
「あーっ!先っ、先っ!こりこりする!あっ!あっ!!」
じゅぶじゅぶと搾るように上下されて、オナホ下げられると先がオナホの奥に当たるんだけど、そここりこりした突起があって、真っ赤な先に当たる。恥ずかしくてパーカー被って、目隠す。涙でる。ちんこがぐっちゃぐっちゃ音立てて、あー、あー、なんか息苦しいし、どっちがなんだかわかんないし、溺れてるみたい。
「まだだめー」
「やっ!あぁっ!引っ張られる!あ、あ!!」
オナホの先のちっちゃい穴塞がれると、真空になって、半端ないバキュームかかる。なのに、その最高密閉で手離された。軽く飛んで、目がチカチカする。ほんと軽くイったから、甘いどろどろが余計に中に溜まる。ひくん、ひくんと、中までひくつく。
「はぁっ、あ、あ、中、入れて」
「無理すんなって。まだあんな小さいのしか入んないのに」
「できる、俺いまぐにゃぐにゃだから、いまじゃなきゃ、も、入んないかも」
「そういうもん?まぁ無理っぽかったらやめるから」
ローションかけた指が一本中入ってくる。あ、おっきい。指おっきい。でも、我慢。我慢。こないだの、きもちいいとこがあるはずだもん、俺も探さなきゃ、腰を浮かせてみる。
「うー……も、ちょい前」
「前?前って手前?」
「うんうん、あっ!あー……」
「どう?」
「あっ、こないだの、あー……っ、あっ、わかんな、うぅあっ、はぁ、あっ」
これ、気持ちいいと、そうでもないの、狭間。気持ちいいはこないだの真っ白な感じなんだけど、中々加減が難しい。腰を動かして、それを必死に手繰る。角度つけたほうがきもちいい、腰浮かせよう。オナホも自分で動かしてテンション上げる。
「も、一本、いける」
「ん、わかった、入れるぞ」
「っ、う、う……あっ!ん、ん……」
そしてついに二本、中に入る。指が二本でも、そうとう存在感ある。ふーふー息つきながら、力抜くことだけ集中する。今にも消えそうなか細い糸を手繰って手繰って。あっ、二本だと指の凹凸が、角度の違いで、びりびり甘い感覚がくる。ちんこ以外の甘いのに慣れなくて上手く掴みきれない。
「ひゃ!」
そしたら突然、指抜かれて、その抜ける感覚に、思わず鳥肌。出るの、途方もない多幸感。縁が拡がって、そこを指の関節が掠めてくのが、すごくしあわせ。足が痙攣して、余韻が残る。きもち、あっ!抜けた、と思ったら、中戻ってきた。
「あっん!」
戻ってくるときは最初よりスムーズで、指の凹凸が粘膜に触るのがいい。ぞわぞわと、だんだん上手く掴めるようになった粘膜の気持ちよさは、震えて涙が出る感じ。それをじんわり味わってたら、またしても引き抜かれる。
「んぁっ!!」
拡がりだした粘膜は、引き抜かれる指にさらに過敏になる。なんだろう、だんだん指をリアルに、次第にあのじわじわが拡がってくる。かぁっと熱の拡がる感覚、ドキドキする、やっぱり気持ちいいのかもしれない。
何回かそれを繰り返し、ついに三本、指が体内に入った。
「三本、入っちゃった……」
「あ、あう、あー……やば、ちょっと、きもち、あ、あ……」
「……この穴でみく感じてるって、なんか、クるもんあるな」
抜き差しで少し腫れて過敏になった縁は、やっと柔軟になって、ぞわぞわする。ちょっと角度変えてぐりぐりされると、変な声が出る。ちょっと触るんじゃなくて、なで回されると、ちんこの根本が熱くなる。
まだ、そこは手離しできもちいい、訳じゃない。ちゃんと意識しないとだめだ。でも、そこに吉澤の指だって思うと、ひくついて、なんかぐちゃぐちゃの音にもとろける。
「もういい、あっ、ちんこ、っ中に入れて、」
「っ、いけるかな、無理すんなよ」
自分で足を持って広げる。そこにちんこ押し当てられると、マジ凶器に思えて愛しかった。
ぬちっ
「っ、き、つ!」
「うぅ、う、おっきぃ、あぅ、う、くるし、いっ」
先の先なのに、痛くて痛くて、めりめりと体が割ける音がする。うう、くるしい、くるしい、いたい、ちんこも萎える、絶対吉澤もいたい、でもどうしようもなくって、でも
「っ、やっぱり」
「やだ、待って、まだ、待っ、まだ、できる、からぁっ」
やっぱりまだって、吉澤が腰を引こうとする。でも俺はここまで来たのに、やっとちゃんと出来そうなのにと、ぼろぼろ泣きながらすがる。ちんこいてーよね、ごめん、俺もすっげいたいけどやめたくないんだよぉ。
「っ、も、わかった、からっ、じゃあ、息吸って、めいっぱい」
「ん、んっ、すーーっ」
そう肩ぽんぽんされて言われて、よくわかんないけど出来るだけ息を吸った。
「吐いて」
「はーー、っぁあ"!!!!」
そうして同じように出来るだけ息を吐いた、吐こうとしたとこに乗っかって、一気に全部が内部に収まった。目見開いて、ぱくぱく息する。あ、あ、中、ちんこある。ちんこ、俺のお腹に。
よか、よかったぁ、もう俺酔い醒めてたし、も、だめかと、よか、よかったぁ、やっと、やっとちゃんと、ちゃんと、できた……っ!
「よか、ったぁ、あっ、あ、はぁっ、はぁっ、きもちいい?」
「っ、ん、案外っ、中めっちゃやらかい、きもちいい、きもちいいっ」
「よかったぁ、よかったぁ、俺、よかったぁ……っ!」
「泣くなよ、もう」
「腹筋いてーよぉ……」
「そんなとこ湿布はれないしなぁ」
初めての朝はロマンチックと程遠く、腹筋?の筋肉痛のあまり目覚めた。結局未だ起き上がれないし。尻はあんまり感覚ないけど、腹よりまし。
心配そうな吉澤にそういえば、と鞄の包みを渡す。クリスマスだから、こんな腹筋でしんでるけど。
「なにこれ」
「クリスマスプレゼント、あげる」
「なーにー嬉しい。開けちゃお」
中からは、こないだ買っておいた。電子書籍のあれ、あまぞんの。意外とこいつ本読んだりするし。
「うっわ、うわ嬉しい。買うか迷ってたんだよ、えーなんでこれにしたの?」
まぁ喜ぶとは思ったけど、喜んでもらえて嬉しい。なんか照れるけど。
「前欲しいって言ってたから」
「はは、嬉し。覚えてたんだ」
「うん」
「あと俺もある、プレゼント」
そうして渡されたのは、俺の欲しかったピンクのやつ。っしゃあ!!布団の上ではしゃぐ。
「やった!!新作VITA様や!ありがとう彼氏様!さすが!」
「あんだけ欲しいアピールしといてよく言うなお前ー!!あとこれ」
それから次に渡されたのはピアス。二個。二個もくれんなんて太っ腹ですな。
「二個も?嬉しい、ありがとう」
受け取ろうとすると、その半分、左は取られてしまう。きょとんとしてたら、右を渡される。
「二個の、右耳だけあげる」
「左は?」
「俺がする」
間
じんわり意味を理解して気恥ずかしくなる。と同時にじんわりじんわり、すさまじく嬉しくなる。
「……いまVITA越えたんだけど」
「ほう。じゃVITA返せ」
「やだー!両方俺んだもんー!!
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