攻様とは??

分割用12


 レンタル以外に本の販売も担当することになった俺と清くん。カウンターに並んでうだうだ。今、夜の11時。ひまだー。

 「600円になりまーす。」

 それにしても今日はピンクの表紙の少女漫画がよく売れる。今のOL風お姉さんも買ってったし。
しっかし…少女漫画なのに表紙が男だけなのは謎だ。これがイマドキなのか?お兄さん分かんなーい。
横を見るとレジの誤差チェックしてる清くん。いたずら心が疼く。まあゆうても清くんは大学生だしイマドキでしょ。ちょっかいだして質問しよー。

 「ねーねー、清くんやい、今日これよく売れんねー。」
 「……ですね、まあ人気作家の新刊ですし。」

めんどくさそうにこっちも見ずに返答する清くん。なんかそううざそうにされると余計構いたくなっちまう訳だが。

 「ふーん、有名な少女漫画なんだ。」

そう適当に相槌を打ちつつ、清くんをつたく。俺あんま漫画読まないしわからん。
誤差チェックを終え向き直った清くんは、呆れたように笑った。

 「いやそれBLですよ。」
 「びーえる??なにそれ。」
 「ボーイズラブ。男同士のラブストーリーです。」

ぼういずらぶ…男同士のらぶすとーりー…
聞き慣れない言葉に時間差で理解が追い付く。よ、要するに、要するに、え?男同士のラブ??あれ、なに、ば薔〇族みたいな??

 「え、え、だって女の人が買ってたよ??」
 「だから男同士のラブストーリーを、女の人が読むんですよ。」
 「え、意味分かんねー。なんで?」
 「さぁ…そういうのが流行ってるんですよ。」

意味が、分からない。男同士のラブが、流行り…。よく分かんないけど、俺もまあ一応関係ないとも思えず、ほら、俺も、男と付き合ってるし…、うわ照れる、とりあえずポケットの600円をレジに入れた。

 「買うんですか?」
 「後学のために。俺バック行ってくるから混んだら呼んで。」
 「働いてください。」

清くんの抗議を聞き流しつつ、買った例のぼういずらぶを手にバックに戻る。ていうかぼういずらぶ高くないか?ジャ〇プは単行本400円だぞ。

 「………」

少しドキドキしながら、少女チックな表紙を開く。興味もあったけど、それと同じく、不透明な自分の恋人との関係について、何かヒントがあるかもとの期待もある。さてさて、





 「おかえりなさい。働け。」
 「清くん…」
 「おい給料泥棒。はよ動け。」

 ぱらぱらっと、バイト中だし10分ほどで流し読んでレジに戻る。清くんは変わらず辛辣だった。そゆとこすき。俺は手に入れた知識を清くんにお裾分けする。

 「あんな、俺って、攻…ってやつに、なる、らしい…?」

どうもその本によると、
@ぼういずらぶには攻と受がいる。
A攻はちんこ入れてた、受はちんこ入れられてた。
ということがまず分かった。
ちなみに俺はちんこ入れられたことはない、つまり攻側らしい。おそらくは。
清くんはまたつまんなそうに目を閉じた。

 「いや、ノーマルな男は攻でも受でもないです。」
 「あ、そか。てか清くん詳しい…やだ…こわい…。」
 「一般教養です。」

清くんの偏りありまくりな一般教養を聞いて、俺はついドキッとしてしまった。そっか、そうだよな、普通に俺ノーマルだと思われてるよな…。なんだかやましいことがあるような、やるせない気分になる。
俺らはイレギュラーだと言われてるようで。

 「………」

 そんでもうひとつ気になること。

結局、俺、攻なの??

実際問題俺らはちんこいれたりなんだりはしてない訳で、受か攻かはあやふやな感がある。
本の中では、主導権握った側が攻とされていた。なんとなくだけど、なんとなーくだけど、俺らは、俺が攻で、いい、のか??

 「いや、俺が受はやだな…」
 「おい働け。吉澤働け。」

なんとなく、超なんとなくだけど、受より攻がいい。つまりだ、俺は更に主導権を握ったらいいわけか、セックスの。え、どうやって?
こう、この本みたいに強引にセックスに持ち込めば、攻になれるはずだが…。
あ、そうか、この本の攻の行動を真似ればいいのか!!

 「天恵だ!よっしゃこれで勝てる!」
 「おーい戻ってこい吉澤ー。」





 て訳で、

 「んん、ん…」

 いざ実戦。いつもの自分のぺら布団の上でみくにちゅーする。ぶっちゃけ強引にいかずとも言えば割りと何でもやってもらえるけど、それじゃいかんのだ。
まず、俺がすべきなのは、えーと…

 「んっ!?」

《キスで口をふさいだまま、左手で受の両手を頭上に押さえつける》

ふふ、これで、抵抗できないだろ…みくの怯える表情なんて、見たことない。興奮する、

 「………」

 と思ったら、みくが何なの?みたいな目で見てくるー!!
なんなの!?何してん?みたいなジト目なんなの!?え、どうしよう、すでにスタートにして企画倒れ感が。
てか、みくはもっと恥じらいとか、怯えとか、戸惑いとか、そういうリアクションを!くれよ!いいや、次!次行く!

《右手で相手のネクタイ(ベルトでも可)を抜き、それで相手の両手を縛り付ける。》

 「……」

お、おう…てか、キスしたまま、片手でベルト外すって相当時間がかかる…間が…間が持たない…相変わらず何なん?って視線が痛い、いやもうしかも片手でベルト外すの、引っ掛かって結構難易度たけぇ!!?あれか!攻ってのはブラホック外すがごときスピードでベルト抜けるのか!?押さえつける左手もつれえ!ぐぬぬ
あ、

 「ぷはっ、え、何?何したいの?」

口を外されたー!おお、おう、おう、何か急に恥ずかしくなって、左手も外す。お互い無言のまま、布団の上で向かい合う。なにこれ死にたい。

 「んで、なにしたかったの。」
 「あの、その…」

もはや主導権もくそもない。こんなパンいちで頭を下げている攻なんて、きっと世界探してもそうはいまい。結局俺は何なんだ。やっと自分に似合う言葉を見つけたと思って、張り切ったのに。布団を見つめながら、みくにも知識のお裾分けをした。

 「攻っぽく…」
 「は?攻?」
 「攻っぽい感じにしたくて…」

そう言うや否や、みくは腹抱えて笑いだした。引き笑いしながら、笑い泣いとる。くそー、みくはオタクだけあって受とか攻とか知ってたか。本の中の受は布団の上で爆笑なんかしてなかったぞ!
あーなんかくそ恥ずかしいんだけど!このスベッた感、やだもう俺超攻ぽくねえぇ!



 しばらくして、笑いすぎて出した涙を拭いながら、みくはやっと話し出した。

 「あーおかし、ぶふっ!ウケる、てかいいんだよ、吉澤は。そういう攻じゃないから。いいの。普通で。」
 「そういうって何だし…」
 「そういうカッコイイ攻様じゃないじゃん。だから普通でいいの。」

さりげなく馬鹿にされた。膨れながらそっぽ向くと、みくが笑い引きずりながらくっついてきた。

 「で何、何の本に影響されたの?」
 「ぶー…」
 「拗ねんなって。あ、これ?」

 膨れてそっぽ向く俺ほっといて、枕元においておいた例のぼういずらぶをみくが手に取る。ぱらぱらと捲って俺に視線を戻した。

 「いいか、まず」
 「?」
 「お前は金持ち御曹司でない。インテリでない。俺は良いと思うけど、世間的にはここまでのイケメンでもない。」
 「え、なに、全否定。」
 「ちんこもこんなでかくない。」
 「しにたい」
 「だからお前はこういうことはしなくていい。てかすんな、キモいから。」
 「しにたい」

 枕に頭を埋めてさめざめ。もうやだこいつ。しにたい。背中にみく張り付いてきた。しにたい。

 「…ていうかぁ、こんな流れるように脱がされたら怖いし。」
 「…」
 「…今のままで十分ですしおすし。今のもだもだしてるほうが俺は好きですし。」
 「…」
 「もだもだ焦ってんの超かわいかった。」
 「…」
 「しないの?」

間。

 「…する。」
 「はい。」
 「てか俺が攻だからな。俺は受しないから。」
 「はいはい。」

 たしなめられた感がすごい。くやしい。そんで結局受とか攻とかなんなのか、曖昧なままだ。

 「じゃあ…」
 「っ」
 「ほら、素股攻めてみる?一応疑似挿入なワケだし?」

そう言って、みくが服を脱ぎ、自分の太股にローションたっぷり垂らした。そんでもってこっちに足を開いて見せる。なんかもはや受とか攻とかどうでもよくなってきた。脂肪と筋肉で柔らかく、ローションでテカる股と股の間に、
挟みたい、ここに挟んでみたい。ばーんとみくを押し倒す。なんでこんなエロかわあざてーんだ!

 「ひはっ、んぐぅ」
 「んんっ」

改めてちゅーしなおして、みくの股間に自分のちんこをあてがった。今度は両手でみくの太股押さえつけ肩に担ぐ。うっ、太股の骨が肉越しにちんこに当たってゴリゴリする。

 「ふぁっ、あっ、これで、攻、っさまじゃーん。」
 「っ、は、いえーいっ、あっ」
 「あっ、あっくぅ、うぅんっ!」

みくはまだ軽口を叩いていたが、腿のつけね、一番肉が乗ってやらかいところでちんこ擦ると、目がとろとろしてきた。腿の付け根ってことは、裏筋ごりごりみくのと擦れるからな。みくの太股からにゅこにゅこ自分のちんこが頭を覗かせるのがえーろーいー。

 「あ、そーだ。みく、ベルト借りる。」
 「あっ、やだっ、そのベルト、高かったのにっ、てかっ、なにす、っあぅ!うぅ!」
 「あーやっぱ、っ、ベルト役立つじゃん。」

そういえばと、みくが自分で外したベルトを回収。ついでに布団汚さない用のタオルも回収。

 「あぅっ、あっ、なんでっ」

担いだまんまのみくの両太股にタオルを巻き付ける。布団汚れたら捨てる。もう買えどきだもん。いいや別に。

 「馬鹿っ、じゃん…!」

タオルの上からベルトでぎっちぎちにみくの太股を結びつける。うわ、きっつ…っ!ぴったりくっついた太股の間で、俺のもぎちぎちに締め上げられる。このキツキツ感が穴っぽくて興奮する。

 「あはぁっ、あっ、せまっ」
 「あぅっ、あっあっ!うぅんっ!!」

キツくて稼働範囲が狭まった分、ちんこ動かせる範囲は全部みくのちんこの真上。そこをずりずり掠めてく。太股から自分のを引き抜こうとすると、腿の肉が吸い付き引っ張りついてくる。お互い股間持ってかれそう。

 「はふっあっあうっ!あっあっ」

じゅるじゅる音をたて、みくの張ったたまたまも、竿も擦ってく。左右に腰回して、捏ね回すみたいにちんこで撫で回すと、みくの眉がハの字になって困ったみたいな切ない顔をした。

 「あっ、んんっ!ちんこ、あつぅ…っっ!」

女の子の素股じゃないから、引っ掛かるとこがたくさんあって頭溶けそうなくらい気持ちいい。狭い隙間ん中、たくさんの凸凹を押し潰してピストンする。みくはその度、はーはー涎だらだら垂らす。
…お尻揉みたい、あ、急にお尻揉みたくなってきた、なんか急にごめん。

 「みく裏返しになれる?B面。」
 「あふっ、あっ、おれ、へーせー世代だからっ、カセットなんて知らない…っ」

とやかく突っ込むみくを無視して、ちんこ一回引き抜く。太股の骨がカリんとこ過ぎてく感覚最高。そんな感じでみくを俯せに(え、本当に平成はB面知らないとかないよな?)した。

 「はぁーっ、あっ、あんんっ!んんん〜っ!!床、やだぁっ、あうっ!皮がっ、伸びるーっ!」

それから俯せてるみくの尻揉みつつ、乗っかる形で斜め後ろから素股再開。みくはニアイコール床オナだから、皮が伸びるって怒ってる。俺的に床オナで皮がびろびろになるこたないと思うけど。

 「うわ、さらにキツい…っ」

みくの足が伸びたことで、さらに隙間が狭まって気持ちいい。

 「んぁっ、やめっ、あふっ、あーっあーっ!!」

みくの尻揉みつつ、前後に揺さぶってやると、みくのちんこも布団に摩擦されるようになる。布団のざらっとした繊維に、何だかんだでみくも腰をくねらせ始めた。

 「あふっ!ああっ、あっあんんっ!あっあっあうっ!」
 「はー、まじ入ってるみたい」

もはやぱっと見挿入済みみたいに見える。が実際はおしいとこで挟まってるだけ。前から見ると太股の隙間だけど、後からだと尻に押し当ててるように見えてエロい。

 「あっんんぁっ!おふっううぅ〜んっっ!あ、も、布団、べちゃべちゃなる…っ」
 「何、もう濡れてんの?」
 「わかんなっあふっ!んんっ、でもっ、布団もうざりざりしなくって、」

みくはさっきまで布団の布のざりざり感で床オナしてたはずなのに。

 「にゅるにゅる、っ、してっ!」

そんなことを振り返ったみくに涙目で訴えられる。くそかわ。早く入れられるようになりたい。こんなんを疑似じゃなく、ガチ挿入で聞きたい。
ちんこを名残惜しいけどまた抜いて、みくを膝だちさせる。布団とみくのちんこの間に粘っこい糸がつながる。

 「あふ、あ…」
 「あーあ、めっちゃ糸引いてるじゃん。この布団もう使えないじゃん。」

うそ、もう捨てることにしてたけど。でもみくはがくがく足震わせ涙目になりながら、ちんこからまた我慢汁溢してた。

 「はーはー…ご、ごめん…も、はー…ヤバイ、はー…かも…」

そんなことを言う。こっちだって実際はもうヤバイ訳で、頭がくらくらパーンした。
もう駄目、おにーさんビーストモード入っちゃった。こないだえ〇見たの。あれ、あのモード入っちゃった。
みくをまた仰向けに倒す。

 「はうぅっ、うぅっ、う!くるし、」
 
みくの足をみくの体にくっつかせるように折り畳んで、疑似屈曲位待ちの状態にする。太股の裏がてかてかローション引いて、その隙間がやらしく熱を持つ。こじ開けたい、ここ左右に開いて中を暴きたい
…いや太股だけどね。ただの。イメージ。

 「あうっ!あっあっあっあっ!うぅんっ!う、うえからっ、あっあはぁっ、いぁんっうぅうーっっ!」

上から、その隙間に再度挿入。征服するみたいにバツバツ音を立ててピストンする。屈曲位だからみくも竿全体に俺のちんこが当たるらしくて、またシーツ握って頭振ってた。

 「っあ、は、はぁ…っ!」

女の子素股じゃないから、尿道口をクリにひっかけるは無理、だけど、みくピンクの亀頭に先っぽが当たる。腰がぶるっと震える。

 「みく、みく、っちゅー。もっかい。」
 「ん、ふぁ、んふんっ、んんっんあぁっ、んんんっ」

もっかいもっかいちゅーし直すと、口を開いて迎えられた。腹にみくの太股が当たって、そこからローションの糸が引く。
深く確実に、打ち付けていく。狭い太股を縫って、みくの股間にスライディングする。ぎちぎちだからちんこ同士がクロスしてかすることもなく、正確無比にみくのちんこの裏をスライディングしてく。この凸凹した感じが先っぽ当たるの、こっちもいいけど。

 「んんんっ!んふぁんんんんんん〜〜っ!!」

背中に手が回され、指の腹で押される。爪立ててもいいのに。ラストスパートで、さっきまでより細かいストロークに変えてく。にちょにちょ白くパリパリになりつつあるそこを、構わず突き進む。

 「んふっ!ん!んくぅうううううううんっ!うぉっ!んんんっ!んっ!んっ!んっ!んっ!ん…んあん"ーーっっ!!」
 「んふぁっ、ん…っ」







 「いひゃああああっ…」
 「ご、ごめん。」
 「ばかざわぁ…っ!あんな、あんな無理に縛ったら、足痺れるに、あひぃいい…っ、決まって!ひぁいいいん!」

事が終わってベルトを外すと、足が痺れたのか、みくはもんどりうっていた。俺はひどいことをしてしまったと思いつつ、欲求には抗えず、その痺れた足に触れた。

 「いひぃいいいいいっ!!」

足痺れてぷるぷるしてるの、ちょっとエロいとか思ったけど、後でマジギレされたからもうやらない。
で、結局、攻とか受ってなんだっけ??


おわり


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