盲目恋愛革命A



それから数時間がたった頃、夏侯淵は目覚めた。
窓を見ると外は真っ暗であった。
「惇兄…?」
夏侯淵は夏侯惇の名前を呼ぶが返事がない。
静かで明かりがない部屋で一人っきり。
夏侯惇がいないと思うと寂しくて悲しくなった。
やっぱり、夏侯惇は自分の事を信じてはいないのだろうか?
でも夏侯惇は先程、信じると言った。
夏侯惇を信じなくて誰に縋ればいい。
「惇兄…ううっ、ひっ、くっ…」
夏侯淵は涙を流し、夏侯惇を呼んだ。
一人にしないで、一人っきりは嫌だ。
泣き続けていたら部屋に明かりが灯る。
「淵、どうした?」
夏侯惇が泣いていた夏侯淵に声を掛けた。
「と、惇兄〜っ!」
夏侯惇に抱き着いて夏侯淵は更に涙を流し続けている。
「一体どうしたんだ。こんなにも泣いて…」
「俺を置いていかないで、一人っきりにしないでよ…」
「淵、すまなかったな…」
夏侯惇は夏侯淵の身体を抱きしめて安心させるように頭を撫でた。
「俺が側にいるから安心しろ…」
「うん…」
やっと落ち着きを取り戻した夏侯淵に軽く口づけを落とす。
「んっ…」
触れるだけの唇は直ぐに離れていく。
「淵、お腹空いただろ。食事を用意させた…」
「そう言えばお腹が空いたかも…」
夏侯惇はクスっと笑い、夏侯淵の頭を撫でた。
二人は用意された食事を取り楽しい一時を過ごした。
食事も終わり、湯浴みも済ませて後は寝るだけである。
だが、夏侯淵は緊張して仕方がない。
自分の身体を元に戻す為とはいえ、夏侯惇と褥を共にしなくてはならないのだから。
「淵…」
夏侯惇に呼ばれると夏侯淵は振り向く。
「惇兄…」
戸惑いと焦りなのか、夏侯淵はまともに夏侯惇を見る事が出来ない。
「大丈夫だ。優しく抱いてやる…」
「うん…」
夏侯惇は夏侯淵を抱きしめる。
夏侯惇の腕に抱きしめられた夏侯淵は胸の鼓動を聴いて安心した。
夏侯惇は夏侯淵をゆっくりと寝台に押し倒す。
ギシリと寝台が音を立てた。
「惇兄…」
不安と恐怖の色を秘める瞳が見つめてくる。
安心させるように何度も啄むような口づけを御としていく。
「淵…大丈夫だ。優しくするから」
「うん…」
夏侯惇は夏侯淵の着衣を脱がしていく。
女性になって初めて他人に見せる身体。
それだけなのに恥ずかしくて顔を赤く染める。夏侯惇はその身体をじっくりと見つめた。
「綺麗だ…淵」
「あまり見ないで、恥ずかしいよ…」
夏侯淵は両手で身体を隠そうとする。
夏侯淵の美しい白い柔肌。
まだ汚れを知らない。
誰にも触れさせていないこの身体を自分の色に染める事が出来る喜びが夏侯惇に生まれる。
「隠すな…此処には俺しかいない。だから安心して身体を預けろ…」
「うん…」
夏侯惇の言う通りに夏侯淵は身体の力を抜いた。
夏侯惇はゆっくりと口づけを落とす。
先程した口づけよりも深い口づけ。
舌が挿入されて口内を舐められ、逃げようとする舌を絡め強く吸われる。
夏侯惇の口づけに翻弄される夏侯淵は、苦しさに声を挙げる。
「ん、んふ、んんっ…ふぁん」
クチュクチュと舌が絡みつき更に味わうかのように夏侯惇は口づけを続ける。
やっと解放された時には夏侯淵の身体がクタリと寝台に横たわる。
夏侯惇は首筋を舐めては強く吸うと赤い花が散る。
鎖骨や、胸にも同じように痕をいくつも残す。
「ふぁ、あん、やっ…惇兄っ」
夏侯淵から嬌声が漏れる。
柔らかい乳房を揉んでいくと、直ぐさま反応が返る。
「ひゃ、あんっ!」
その反応に良くした夏侯惇は執拗に胸への愛撫を続けた。
柔らかい胸の頂きを舌で転がしながら時折吸っていく。
唾液で濡れた頂きは赤く色付き、固くなっていた。
その頂きを指先で弄りながらもう一つの乳房も同じように愛撫を施す。
「ああ、あっ…惇兄、やぁ、止めっ!」
ビクンと震え、夏侯淵は快楽から逃げようと夏侯惇の頭を退けようと腕を伸ばすが、夏侯惇はそれを阻止し寝台に腕を一くくりにするように押さえつける。
「嫌じゃないだろ…此処をこんなに固くして。淵は淫乱だな…」
「そんな、俺は淫乱なんかじゃ、ああんっ!」
否定の鼓動を言わせまいと夏侯惇が胸の頂きを軽く噛んだ。
「痛い、やっ、噛んじゃ、駄目ぇっ!」
その痛みさえも快楽にすり変わる。
夏侯惇はゆっくりと指先を下股に伸ばしていく。
茂みを掻き分けると蜜壷に触れる。
指先が触れるとクチュリと濡れた水音を立てる。
そしてぬるぬるとぬめり帯びていた。
「嫌だと言う割には感じているくせに…此処が濡れているぞ?」
夏侯惇は夏侯淵の耳元で囁く。
「やぁ…んっ」
囁かれるだけで身体が敏感に反応する。
羞恥で顔を赤く染めて、快楽による涙が一筋零れる。
夏侯惇は夏侯淵の両足を左右に拡げる。
「なっ、やぁ、見ないでっ!」
「予想していたより綺麗だな。美しい桃色をして赤くそまりつつある」
それに香しい、良い匂い。
男を引き寄せるような匂い。
今まで抱いた女とは違う。
全てが汚れていない。
トロトロと愛液が蜜壷から溢れ滴り落ちて寝台の布が染みをつくる。
夏侯惇は堪らずに蜜壷に舌を差し入れて舐めていく。
「あああっ、やっ、ああっ、駄目っ、汚い、よ…止めっ!」
「汚くなんてない。お前の此処は綺麗だ…」
夏侯惇は何度も蜜壷の中を舌で舐めていく。
ピチャピチャと卑猥な音が部屋に響いた。
唾液で充分濡らした蜜壷に夏侯惇は指を挿入した。
「やっ…ああっ!」
挿入した瞬間に身体がビクンと跳ねる。
夏侯惇の指は蜜壷を傷つけないように二本目もゆっくりと挿入して中を拡げるように掻き回していく。
「ああ、っん、ひっ、はぁ、んん…」
グチュグチュと音を立たせる。
「凄いな…どんどん溢れてくるぞ」
「やっ、惇兄…ああ、んっ!」
首を左右に振り快楽から逃げようとするが身体は正直に快感を訴える。
夏侯惇は指を引き抜く。
愛液が指に絡み付いているのがわかる。
夏侯惇は指に絡み付いている愛液を舌で舐めとる。
「大丈夫か淵?」
「うん…」
夏侯惇は返事を聞きながら、夏侯淵の内側の太股を口づけて痕を残す。
「淵、入れてもいいか?」
夏侯惇は夏侯淵に問い掛ける。
「うん、良いよ…来て惇兄っ」
夏侯惇は夏侯淵の了承を取ると下穿きを取ると、高ぶった夏侯惇の陰茎を取り出した。
夏侯惇は夏侯淵の片足を掴み肩に乗せる。
そして先端を蜜壷へと宛てがう。
「力を抜いていろ…」
「うん…」
夏侯惇はゆっくりと先端を沈めた。
「ひっ、ああ…やっ!」
肉が裂ける感覚とブチブチと音を立てて蜜壷からは血が滲んでいた。
「痛い、やっ、あっ、痛っ、いやあ…!」
痛みを訴える夏侯淵に夏侯惇は優しく口づけを額に落とした。
「力を抜け…ゆっくりと呼吸をしろ」
夏侯惇の言われた通りに夏侯淵は身体の力を抜いた。
夏侯惇はゆっくりとだが、全てを収めて息を吐いた。
ぎちぎちと締め付ける秘肉が夏侯惇の陰茎を更に奥へと誘うように蠢いているようだ。
それだけで絶頂へと持っていかれそうになると腹に力を込めて耐える。
「淵、大丈夫か?」
「うん、なんとか…でもお腹が苦しい。圧迫されてるみたいだ」
「そのまま力を抜いていろ…」
夏侯惇はゆっくりと律動を始める。
「うう、ひっ、やっん、やぁっ!」
夏侯惇の陰茎が蜜壷を出入りする度に夏侯淵からは嬌声が挙がる。
だが、まだ痛みの色を残している。
何度も腰を打ち続けていけば痛みは和らぎ嬌声は快楽の色が出はじめている。
「ふぁ、あっ…ああっ、惇兄っ!」
「慣れてきたようだな…そのまま感じるままにしろ」
夏侯惇は夏侯淵の腰を掴むと先程とは違い、荒々しく腰を打ち続ける。
肉体がぶつかり合う音が断続的に続く。
そして卑猥な水音が耳に届く。
夏侯淵は夏侯惇の背中に腕を回して引き寄せ密着させる。
更に激しくなる行為に翻弄されていく。
「あっ、ああっ、やっ、はぁんっ!」
「淵、淵…!」
「ああっ、惇兄っ、好き、好きぃ…!」
「俺もお前が好きだ…」
夏侯惇は最奥を穿つと二人は絶頂を迎えた。
「ああっ――――!」
「くっ…!」
夏侯惇は夏侯淵の蜜壷に欲望を放ったのであった。
二人は力が抜けて折り重なるようにぐったりと身体を寝台に沈めた。
夏侯惇は萎えた陰茎をゆっくりと引き抜く。
蜜壷からは沢山の白濁の液が溢れ落ちる。
「惇兄…、溜まってたのか?凄い量だ」
「ああ…そうかもな」
「俺、疲れたから寝るよ…」
「側にいるから安心して眠れ」
「うん…」
夏侯惇の身体に擦り寄り夏侯淵は眠りについた。
そして夏侯惇も夏侯淵の身体を抱きしめたまま眠りについた。



次の日の朝を迎えると夏侯淵は目を覚ました。
何だが、身体中が痛いし、それに腰が一番痛い。
ゆっくりと身体を起こすと、夏侯淵は自分の身体の異変に気づいた。
身体が元に戻っている。
夏侯淵は卓上に置いてある手鏡を持ち、自分の顔を見ると普段見慣れた、髭を蓄えた男の顔が映る。
「元に戻ったぁ!」
夏侯淵は嬉しそうに声を挙げた。
「淵、朝からやかましいぞ」
「惇兄、俺、元の身体に戻ったよ!」
「おお、本当だな…」
「これで自由に歩ける」
「だが、惜しいな。あのまま元に戻らなければいいのに…」
「なっ、何言って…」
「孕ませる事が出来たら、淵は俺のものになってただろう…」
「と、惇兄…」
夏侯惇のあまりの衝撃な発言で夏侯淵は顔を真っ赤に染めた。
「俺はそのぐらいに妙才を愛してるいる…」
「俺も惇兄の事が大好きだよ…」
二人はゆっくりと口づけを交わしたのであった。





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