小ネタ集
惇淵

寒さが増して冬の季節が到来したのを感じるようになった。
朝になっても寝台からなかなか起き上がれない。
寒いのが苦手だから仕方ない。
『惇兄…朝だ、いい加減に起きろよ』
温もりに意識を闇に落とすのを遮るような聞き慣れた愛しい者の声が耳に入る。
「寒い、まだ寝ていたい…」
「駄目だって、今日は殿と街へ視察する日だろ。遅刻したら怒られるぜ」
「まだ出発する時刻には早い、寝る…」
眼帯の男は不機嫌な表情を浮かべ、自分を起こした従兄弟の腕を掴むと突然、寝台に引きずり込んだ。
「うわあっ!!」
寝台に引きずり込まれた従兄弟に構わず、男はその身体を抱きしめた。
「淵も寝ろ…」
男は優しい口づけを軽くするとゆっくりと瞼を落とし眠りについた。
『俺は暖をとる為のモノじゃないんだが』
眠る眼帯の男の寝顔を見ながら溜め息をついた。
まあ、こんな事でも愛しい人の腕の中で居られる幸せを感じながら夏侯淵は眠りにはいる。
このままでいられたらよいのにと思わずにはいられない。

後ほど、起きた二人は曹操に説教を喰らったのはいうまでもない。




comment : 0
30th.Dec.2014


 
comments
 
 
name:

text:

url :



editkey :



↑back next↓

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -