小ネタ集
惇淵(操淵)

※現代版の話


それは深夜の出来事。
宴会で酔い潰れた夏侯淵に隣にいた夏侯惇は寄り添って眠る夏侯淵に呆れていた。

酒にはそれ程強くもないのに強がり自分の方が飲めると夏侯惇と飲み比べをした。
だが、案の定…夏侯淵は夏侯惇に勝てる所か、負けた上に酔い潰れてしまった。
昔から変わっていないのは夏侯淵の酒癖だ。
まだ酔い潰れたのならましだが、酔い潰れていないものなら手当たり次第に近くにいる者に強烈なハグをした上にキスまでするのだ。
夏侯惇は自分以外の男にハグをしてキスをする光景を見たくはない。
だから夏侯惇は意図的に夏侯淵を酔い潰せたのが正解かも知れない。

「何だ、妙才はもう眠ってしまったのか?」
「孟徳…そのようだ」

曹操は夏侯惇の向かい側に腰を下ろし座る。

「相変わらずの独占欲には呆れるな…元譲」
「何の事だ孟徳?」
「はぐらかすな、儂が妙才の酒癖を知らぬとは思わせぬぞ」
「ああ…その事か。淵に強い酒を奨めさせたのはわざとだろ?」
「まあな…儂にも妙才からハグされたいしキスもされたい。元譲ばかりずるいと思うぞ…」

曹操は夏侯惇に文句を言って酒を一気に呑んだ。
夏侯惇は黙ったまま夏侯淵を抱き寄せて眠る夏侯淵の頭を撫でた。

「言っておくが淵は俺のものだ…孟徳であろうと淵はやらん!」
「言い切りおったか…誠に元譲は妙才を好きなんだな」
「ああ…」

学園の理事長である曹操であるが従兄弟として長年一緒に過ごしてきた仲だ。
多少なりとも我が儘には眼を伏せてきた。
だが夏侯惇は夏侯淵が絡むと人が変わったかのように変貌する。
それは愛しい者を他人に奪われたくない思いがあったからだ。

「まあ、可愛い寝顔を見せてくれたから今回は引いてやる。次こそは妙才は儂のモノにしたいのお…」
「口説いぞ孟徳、淵は誰にも渡さん!いくら身内でも容赦はしない…」
「そんなに目くじらを立てるな…元譲に本気で相手をされたら腕の一本では済まされないからな…まあ、今日は無礼講だ。ゆっくり飲んでいけ…」

曹操はそう言うと立ち上がり曹仁達の元へと向かった。
残された夏侯惇は溜息をついた。
曹操は本気なのか冗談なのかわからない時がある。
今回の事が本気なら用心した方がよいと思った。
ふと夏侯惇は夏侯淵を見ると今までのやりとりを聞いてないのが幸いだと思う。
何も知らずにのうのうと眠る夏侯淵に夏侯惇はゆっくりとキスを落としたのであった。




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26th.Jul.2011


 
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