惇淵
(獣化パロ)
朝起きたら違和感を感じた。
なんだか身体がむずむずして仕方ない。
やはり春先だからであろうか。
未だに覚醒しきれていないのか瞼を指で擦り欠伸をする。
頭を軽く掻いたら柔らかい何かに触れた。
柔らかく温かい感触に夏侯淵はもう一度触れてみた。
その柔らかな感触はまさかと思った。
それに何だかお尻の部分も痛い。
夏侯淵はお尻に触れると白くて長い尻尾が生えていた。
夏侯淵は驚きを隠せなかった。
卓上にあった手鏡を取ると顔を映すとそこには白い猫耳を生やした姿があった。
「何だこれは!?」
まさかむさい男に猫耳と尻尾が生えたなんて信じられない。
こんな姿を誰かに見られたらどうしよう。
特に夏侯惇に見られたらただでは済まされないであろう。
「まずい事になったな…」
溜息交じりに呟くと突然寝室の扉が開かれた。
夏侯淵は振り向くと入口には夏侯惇が立っていた。
「げっ、惇兄!何で此処に?」
「淵、その姿はどうしたんだ?」
夏侯惇は従弟の変わり果てた姿に驚きを隠せない様子であった。
夏侯淵の側に来る。
本来は夏侯淵の耳であった部分が猫耳になっていた。
とりあえず触れてみると柔らかな感触を感じた。
「本物なんだなその耳は…、ならこの尻尾もか?」
「ひゃあっ!」
夏侯惇が尻尾に触れると夏侯淵は驚き声をあげた。
「と、惇兄、尻尾は弱いんだ。もっと優しく触れてくれよ…」
「す、すまん。本物なんだな…でもどうしてこんな姿になったんだ?」
「解らない。俺が知りたいよ…」
夏侯淵は溜息をついた。
夏侯惇は夏侯淵の生えた耳に触れて感触を確かめていた。
「また、孟徳の悪戯に巻き込まれたか?」
「殿だったら、やりかねないな…」
二人して同時に溜息をついた。
それでも夏侯惇は夏侯淵の姿を見ていたら可愛いと思ってしまったのは言うまでもなく、突然、夏侯惇は夏侯淵を抱きしめた。
「惇兄…どうしたんだよ?」
「可愛いから、暫くはこのままでいて欲しいのだが」
「なっ、正気かよ。俺は嫌だ!」
「可愛い姿にされて嫌なのは解るが、愛でれる機会が巡ってきたと思えばいい」
「それは惇兄だけだろ!」
夏侯惇は文句を言う夏侯淵に対して、猫耳に息を吹き掛ける。
「ひゃあん!」
敏感に反応する夏侯淵に夏侯惇は何度も繰り返した。
「やはり可愛い猫には首輪が必要だな…」
弱点である耳と尻尾を弄られた夏侯淵は夏侯惇の腕の中でぐったりしていた。
「元の姿に戻るまで愛でてやろう…」
「ふにゃあああっ!」
哀れ夏侯淵は元の姿に戻るまで首輪を付けられて夏侯惇の側で生活する事になったとさ。
終
#timg1#
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5th.Jun.2011
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