小ネタ集
操仁

(マフィアパロ)


曹仁は葉巻を好んで吸う。
匂いが良いと気に入っているようだ。
曹操はそんな従兄弟に高級な葉巻を贈った事があったが曹仁は勿体なくて使えないときっぱりと断るが曹操は持っておれと強引に渡した。
曹操は曹仁を一番大切な人として側においている。
愛しい者に贈り物を贈る事が曹操にとって儀式なようなものであった。
曹仁は仁義ある男。
薬を扱うが取り引きの道具として扱い自ら薬をその身体に取り入れる事はない。
曹操の右腕として生きていながらも曹操の恋人として生きている。
だが肝心の曹仁は興味がないように装う。
仲間であろうと敵であろうと容赦のない彼には冷たい態度は当たり前だと周囲は捉えていた。
だが曹操と二人っきりの時は甘える姿は想像は出来ないであろう。

「孟徳、また無駄なシャブ(覚醒剤)が出回っているが?」
「いや、儂等が扱うものではないぞ。多分下っ端が質の低いシャブを売っているんだろう」
「そうか、なら回収はするのか?」
「放っておけ。どんな事があろうと儂等には害は及ばぬ」
「あい、わかった…だが何かあればシャブを売り付けた奴は消すがよいな?」
「ああ、子孝に任せよう…」

会話が終わるなり曹仁は懐から葉巻を取り出すとジッポーで火を点けて煙りを吸い、匂いを堪能する。

「子孝…その葉巻、使ってくれておるのか?」
「孟徳が折角くれたものだから使わないとな」
「使ってくれて嬉しいぞ…」
「孟徳が強引に渡すからだろう。嫌だったら仲間にあげていたが」
「素直に嬉しいと言えばよいものを…」
「そんな恥ずかし事言えん」

曹操の言葉に曹仁は顔を真っ赤に染めた。
素直に為れない曹仁の姿に曹操はにこやかに微笑む。

いつもはツンケンとしているのにデレてくる曹仁に曹操は慣れていた。

「一応は礼を言っておこう…」
「相変わらずつれないのお」
「そのつれないのが好きなのにな」

曹操は曹仁の側に近寄る。

「子孝は儂の事が嫌いか?」
「何で?」
「態度が冷たいぞ」
「甘えて欲しいのか?」
「ああ、そうしたら儂は嬉しいぞ…」
「そうか…善処しよう」
「そうしてくれ」

相変わらずの態度な曹仁だが善処すると呟く彼に曹操は淡い期待を持ち、曹操も新しい葉巻に火を点け吸ったのであった。




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4th.Jun.2011


 
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