操仁
(学園パロ)
私立無双学園の理事長である曹操は悩んでいた。
教員の一人である曹仁とあまり会う機会がない日々を過ごしていた。
優秀な教員であるとともに役員会のメンバーなのだが、曹仁は曹操に対して恋人として接してはいない。
曹操は理事長としてみているが為に態度は冷たくみえる。
従兄弟だが、好きなのは変わらない。
昔からアピールしてやっと恋人として結ばれたのだが、曹仁の態度は相変わらず変わらない。
理事長としての仕事を放りなげてしまえは秘書官である司馬懿は黙ってはいない。
「たまには子孝と一緒にいたいのお〜」
思わず溜息が漏れる。
同じ従兄弟の夏侯惇や夏侯淵に愚痴った所で悩みは解決なんてしない。
見ているだけで羨む馬鹿ップルな二人に言うだけ無駄だと言う事だ。
「何とか子孝と一緒にいる方法はないか…」
曹操は思考を働かせる。
「そうじゃ…思いついたぞ。これなら子孝と一緒にいられる!」
曹操は思いつくと呼び出す為に机に置いてあった電話から受話器を取ると内線で曹仁に連絡を取った。
内線を受けとった曹仁に連絡をすると曹仁は断る事はなく理事長室へ行くと返事を返し内線を切った。
それから暫くすると曹仁が曹操の元に訪れた。
「理事長、何用か?」
理事長室に入った曹仁は曹操に声を掛けた。
「相変わらず、他人のような態度は止めよ。今は二人っきりなんだぞ…」
曹操の言葉に曹仁は溜息をついた。
仕方ないと恋人同士として話す事にした。
「で、何の用だ。孟徳…俺は忙しいのだぞ」
「忙しいのはわかるが、最近は子孝に会えなくて寂しかったんじゃ」
曹操の呆れた言葉に曹仁はまた溜息をついた。
「そんなに寂しかったのか孟徳…」
「ああ、そうじゃ…」
曹操は曹仁の側に近寄ると抱きしめた。
「子孝は冷たい。せっかく恋人同士になったのにいつまでもつれない態度でおる…なのに関羽や妙才や元譲には優しくせっしておる」
「何だ、ヤキモチを妬いているのか?」
「悪いか。儂もお主に甘えたいし、甘えられたいのだよ…」
「それは切実な願いか孟徳?」
「ああ、切実じゃ。儂は子孝と一緒にいる時間を大切にしたい」
「だが、学園内でイチャつくのは駄目だ」
「何故だ?」
「孟徳の仕事が滞るからだ。そうなれば司馬懿の雷が落ちるぞ…」
「うっ、それは嫌だ…」
「だから仕事中は上司と部下という関係を保ちたいのだ…」
「子孝、儂の為にそこまで考えていたとは…儂は嬉しいぞ」
(本当は自分の仕事が滞るのが嫌なだけなのだが、笑顔で言われたら本当な事は言えないな…)
「まあ、今回だけはイチャついてもいいぞ。時間が許す程度だからな…」
「本当か子孝…!」
「まあ、司馬懿に見つからなければ良いが」
「邪魔したら追い出せばよい」
「おやおや、強気な発言が出たな…」
「とりあえず、寂しかった分の埋め合わせをしてもらうぞ子孝…」
曹操は曹仁をソファーに押し倒した。
「こら、孟徳、昼間っから盛るな…俺は授業とかあるんだぞ」
「知っている。そんなものは後回しだ…」
「馬鹿言うな、冗談ではないぞ!」
曹仁は曹操の頭を殴った。
「痛いぞ、子孝!」
「だから、こんな所で盛るなと言っている。やりたいのであれば今日の仕事が終わったらでいい…」
「嘘ではないのだな?」
「ああ…とりあえず、不埒な事を学園内ではしないでくれ。俺もお前もよからぬ噂が立って立場を失うのはやばいぞ」
「それはそうじゃな…だがこうして抱き合うぐらいならよいじゃろ?」
「全く勝手にしろ…時間になったら俺は戻るからな…」
「ああ…」
曹操は短い時間でも曹仁の温もりを感じる事が出来て幸せであったとさ。
終
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12th.Jun.2011
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