遼仁
(獣化パロ)
「子孝殿…」
「どうした張遼殿?」
「その頭はどうされたのですか?」
「実は殿の悪戯によって兎の耳が生えてしまった」
「はあ、そうなのですか?」
「しかも尻尾まで生えておる」
曹仁が後ろを振り向くと可愛らしい尻尾が見えた。
「これはまた奇妙な…」
「私だけではない夏侯淵は猫耳が生えたらしい」
「なんと夏侯淵殿も?」
「元譲が戻るまで保護しているようだが。本当に困ったものだ…」
曹仁は溜息をついた。
気分に合わせてなのか曹仁の兎耳が垂れてしまっている。
よほど嫌らしいとわかる。
「このままでは、外出もままならないぞ…執務はともかくだ。会う人に説明していくのも面倒だ」
「なら、曹仁殿が元の姿に戻るまで私が貴殿を保護したいのだが…」
「え゙っ…!」
張遼の提案に曹仁は嫌そうな表情を浮かべた。
「まさか、良からぬ考えで申してはおるまいな?」
「何を言う。愛しい曹仁殿の為なら私はなんでもしよう…」
「せっかくの申し出だが遠慮しよう…」
何故であろうか、悪寒がしてならない。
嫌な予感が拭えないのだ。
「曹仁殿は私の事は信用しておらぬのか?」
「そうではない。たかが兎耳が生えた位で何も問題はない。自分でなんとかなる」
「夏侯惇殿のように私も貴殿を保護して戻るまでの生活を保障したいのだ」
張遼は曹仁の両手を掴み、真剣な眼差しで訴える。
その姿に曹仁は溜息をついた。
「解った、お主の申し出に従おう。ただし、変な事をしたらお主とは絶交だ。よいな…」
「わかりました。こな張文遠、約束は守りますぞ!」
元の姿に戻るまで愛しい者と一緒に居られるなんてなんて幸運か。
張遼は嬉しさに笑顔を浮かべ、曹仁を抱きしめたのであった。
終
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6th.Jun.2011
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