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ここ、僕が通う貴峰学園は友人曰く王道学園らしい。

貴峰学園は全寮制男子校で初等部から続いている。閉鎖された学校内には思春期の男子がたくさんいる。

そのためか、同性に性欲が行くらしい。恋愛をしているって人もいる。現に友人も同じ学園の先輩と付き合っている。


僕も学園には中等部の二年からいるため、染まってしまったと言ったら変な言い方だけど片思いの相手が出来た。


その人は一生、手の届かないだろう貴峰学園でも有望とされている全てに置いて優秀な彼。


生徒会会長、西条智喜先輩だ。


好きになったのはとても単純だった。この学園にいる不良に絡まれた所を助けてもらった事がきっかけ。

お礼をする前に去って行った彼に「ありがとう」と「好き」を伝えたい。


…だけどそれはとても無理な事だ。


簡単のようで難しいとよく言うけど、そうじゃない。



僕、小谷悠兎は学園に入る頃にはすでに人と会話をする事が出来なくなっていた。



僕は声を失っていた。

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  モドル

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