14
教室中がホワホワと和んだような空気になり、俺だけ仲間外れにされた気分で落ち着かない。
「いくぞ」
「は?」
ぐいっと会長に腕を引っ張られる。皐月の方を見れば、弁当が入っている鞄を投げて来た。もちろん、ちゃんとキャッチした。
……て、今から会長と二人で昼!?俺の心臓、持つか分からないんだけど!!
「屋上でいいか?」
「あ、ああ…」
振り返って聞いて来た会長に戸惑いながらも軽く頷くと、会長はふんわりと微笑んだ。
最近、会長の新しい表情をたくさん見る気がする。
屋上に着くと、会長はやっと腕から手を離した。
「今日、晴れて良かったな」
「え、あ、そうだな…」
ただでさえ、心臓がバクバクなっているのに会長はまた腕を掴み、屋上の端まで俺を引いた。
そこに座ると鞄から弁当を取り出す。
会長はどうやら、売店のパンらしい…
「…会長は何で俺と食べようと思ったんだ」
俺以外にも仲良い奴がいるだろうに。ほら例えば副会長と会計。
…今思えば、副会長も会計も同じクラスなのに会長がクラスに来る時に見かけない気がする。
まあ、タイミングの問題か。
「…理由なんかいらねぇだろ」
「…そうだな」
目を逸らして言う会長に本当は気になるからいると言ってやりたい。
でも喧嘩になるかもしれないから引き下がる。
あ、そうだ
「会長、聞きたい事があるんだけど…」
「なんだ?」
「会長って好きな人、いるのか?」
「……」
ちーに出された課題をちゃんと聞くと、会長は目を丸くさせた。
モドル