ある日の四つ葉荘………
「全員揃ったかな?」
「何だよカズ兄、こんな時間に全員集めて。」
「…眠い…」
「文太さん!!部屋に戻っちゃダメですよ!!」
「ほら、創ちゃん!!文ちゃんに何か温かい飲み物!!」
「なんで俺なんだよ!!」
「…騒々しいな。」
「あー、ほらほら!コーヒー淹れたから取り敢えず座って!!」
「はーい!ほら、皆取り敢えず座ろうよ。で、カズさん何の話なの?」
「あぁ、これなんだが…。」※ファンブックを取り出す。
「!!」※一同
「これ…僕らのファンブックじゃないですか。」
「今更これがどうかしたのかよ!?勝手に写真載せられたり、変なアンケート書かされたりして迷惑だっつーんだよ。」
「確かに…。彼女との思い出のスチルが使われたのは心外だったな。」
「あぁ!!これだろ!?胸元あいた浴衣で『怖がらなくていいから』とか言っちゃって!!ちーちゃんのエッチ!!」
「俺は別に文句ない…寝る。」
「ていうか、千尋さんがスチルって言ってる…。」
「待て待て文太。皆も!この本に関しては、今みたいにそれぞれ言い分があるだろうから、ファンブックについて大いに語ろうじゃないか。という…そのー…アレだ…」
「カズさん…何か言わされてない?」
「カンペ読んでる…。」
「チッ…またあの管理人かよ。」
「え?管理人って…ここの管理人は和人さんですよね!?」
「翔吉…大人には色々な事情があるんだ。」
「お子様には分かんない…(笑)」
「文ちゃん、いつになく絡むね。」
「いや…蔵元もお子様とは言い切れないだろ…ほら、このスチル…。」
※ファンブック P39参照
「あー!!翔吉君やらしーい!!」
「裸…」
「ちょ…そんなに見ないで下さいよ!!」
「お前、よくそんな写真載せるのOKしたな。」
「僕は嫌だって言ったんですよ!!だけど、このくらいインパクトあるのを載せないと他のメンバーと釣り合わないって言われて…」
「そんな事言われたんだ…。」
「そうですよ!!皆さんがどんな過激な写真を載せてるんだろうと思って出来上がりを見たら、みんなかっこよくきめてる写真ばっかりで、上半身裸なんて僕と創一さんだけじゃないですか!!」
「何だと!?それじゃあ俺も脱がなきゃ釣り合わないって事かよ!?」
「そ、そんな事僕に言われても…。」
「そうか…それなら俺もインパクトに欠けるって事か…。」
「あれ?カズさんなんで落ち込んでんの?」
「裕介、このページ…。」
「あ…。」
「カズさんも裸…。」
「インパクトを狙ってる割りには言わなきゃ気づかれないしな…」
「いやいや!!需要があるって事だよ!年上好きな女子にはたまんないはず!!このページは大人組のフェロモンが溢れてるからね!!ね!皆さん!?」
「サクさん誰に喋ってるの?」
「栗巻…裕介は放っておけ。」
「そんな事よりさ、アンケートの内容も面白くない!?」
「確かに…。こうして皆さんの回答を比べてみると面白いですね!」
「『そんな事』か…。」
「おい、裕介。言葉には気を付けろ。」
「ん!?ちーちゃん何か言った!?」
「表紙はアップ。巻頭で見開きの書き下ろしスチルを飾っているお前には解らないだろうな…。」
「?」
「ていうか、千尋さんの口からスチルって…やっぱり何か違和感…。」
「まぁいい。で、アンケートの内容がなんだって?」
「だからさ、自分以外の人のアンケート見ると楽しいんだって!例えば…19問目の『朝の日課は?』とか。」
「えーっと…裕介さんは『元気に挨拶』か。確かに裕介さんは朝から元気ですよね。因みに僕はラジオ体操です!」
「夏休みの小学生かよ。」
「こら、創一。そういう言い方は無いだろ。あの某国営放送のラジオ体操は、夏休み中に雨でラジオ体操が出来ない時の小学生の強い見方なんだ。しかも、朝だけじゃなくて昼前にもやってるんだよ。」
「く、詳しいですね…。でも僕、テレビ見ながらラジオ体操してるわけじゃないんですけど。」
「そうか…しかし、一度見てみると良い。見本で体操しているお姉さん達がレオタードを着ているんだが、全くいやらさが感じられないところなんかはさすが国営放送だよ。あ、因みにラジオ体操第1じゃなくて、第2の時があるから要注意だぞ。」
「は、はぁ…。」
「ぷっ…『背伸び』だって。」
「お!?めっずらしいな。文ちゃんがファンブックめっちゃ見てるよ。」
「おい、文太。何がそんなに面白いんだよ。」
「『背伸び』(笑)」
「俺のページじゃねぇかよ!!」
「日課と言うほどの事じゃないな…。」
「朝起きて『うーん…』って両腕挙げて体を伸ばすアレだろ?それともつま先立ちの方か?」
「ちょ…ガスさん!つま先立ちの方って!それが毎朝の日課って、いくら創ちゃんでもそりゃないでしょ!?」
「うっせぇ!!つま先立ちの何が悪いんだよ!!」
「そっちなんだ(笑)」
「文太さん…声出して笑って下さいよ。『(笑)』に悪意を感じます。」
「創一…そんな事をしても身長は伸びないし、子どもっぽいのは性格なんだから、どうせ毎朝するなら翔吉とラジオ体操した方がよっぽど身のためだぞ。」
「性格は関係無いだろ!!」
「…………」
※笑いすぎて声もでない菊原
「あ!身長って言えばさ、四つ葉荘メンバーの中だと和さんが一番背が低いんだよね!?意外だったなぁ。」
「たぶん世間的には僕が一番小さいイメージなんでしょうね。」
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