頑張る





『お恥ずかしいところをお見せしてすみません、沢田さんのおかげでなんだか頑張れそうです』



しばらくして泣きやんだ私は何とも言えない恥ずかしさでいっぱいだった

でも、ずっと頭をなぜてくれていた沢田さんにとても感謝していて

ふわりと、思わず笑みがこぼれた



ピシリ



なぜか沢田さんが固まって私は訳が分からず首をかしげると

視線をそらしてゴホンと1つ咳ばらいをした



「俺のこと、沢田さんじゃなくてさ名前で呼んでよ」

『綱吉さん?』

「うん、俺だけ名前じゃあなんだかあれだし……」



ごにょごにょと語尾が小さくなっていく沢田さんの声

表情は下を向いていてなんだか分りずらかったけど

ほんのり耳に赤みが帯びていて

意外とシャイ?

なんて思ってしまった



『でも、ボスのこと名前で呼ぶなんて……』

「全然いいよ!普段は堅苦しいの嫌だしさ」

『分りました』



ありがとう

そう言ってにこやかに笑う綱吉さん

そうだよね、こんなに大きな組織のトップなんだから

いろいろと疲れるものがあるんだろう

少しでも、どんな面でもかまわない

支えになりたいと思うのはきっと



『恩返しを……』

「え?」

『いえ、なんでもありません 今日から仕事の方もよろしくお願いします!』



ぼそりとつぶやいた言葉は綱吉さんの耳には届いていなくて

不思議そうに首をかしげていた

思わず口から出た言葉に思わず口元に手を当てたものの

にっこりと笑って流した

綱吉さんも優しく笑ってよろしく頼むよなんて言っている



意識していないと

ここがマフィアだなんて思えなくなる

自分のやるべきこともちゃんとやらなきゃダメだから

しっかりしなきゃ

とはいうものの、本来の目的はどうやって達成すればいいのかな?

ここにいる限り無理だし外に出ないとだめだし

一応戦闘は問題ないけどこの力をあっさり使ったら気味悪いし訓練しないとだめだし

あぁ、やることがたくさんあって訳わかんなくなりそう……



「そういえば、本来の仕事……はどうするの?」

『あぁー……夜とかちょっと外に出たいんですけど大丈夫ですか?』

「まぁ、仕事なら仕方ないけど」

『ありがとうございます』



昼はボンゴレの仕事を手伝いうならやはり夜が一番だろう

綱吉さんは心配そうに眉を寄せている

何にも属さないってピエロが言ってるから何も言えないのだろう、いたしかたない



『大丈夫ですよ、ちゃんと帰ってきますし 問題も起こしませんから』

「問題とかは、別にいいんだけどちゃんと帰ってきてね」



問題は別にいいわけないでしょ

でもまぁ、了承も得たし

頑張りますかっ


   

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