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朝になって目が覚めると、凛月が床の上で丸くなって寝ていた。なぜか凛月と手を繋いでいたので、起こさないようにゆっくり手を離す。

外は明るくて、鳥の鳴き声がすぐ近くに聞こえる。

登校時間まではまだ数時間あるので、人が来ることはないと思うけど。わたしは私服だし、だれかにみつかるわけにはいかない。

そっと布団から出ると、すやすや寝ている凛月に掛けてあげる。結局いつまで起きてたんだろう。気持ちよさそうに寝てるけど。


「ふぁあ…………名前……?」
「……おはよう」


気づかれないように一人で帰ろうとしたのに、凛月が起きた。


「布団ありがとう。凛月に返す」
「いいよ、もう。あんたを送らなきゃいけないし」


でも凛月まだ眠そうだよ。目が半分開ききってないし、声に元気がない。立ち上がろうとした体もゆらゆらしてる。


「わたしは一人で帰れる。一人で来たから」
「送らせて」


あれこれ理由をつけて断ればよかったのに、短い一言で言い切られてしまってはそれ以上なにも言い返せなかった。


凛月に手を引かれて家に帰ると、スマホを片手に飛び出して来たお兄ちゃんに抱きしめられる。苦しい。


「で、殺していいってことだよね?」


わたしの後ろにいる凛月に低い声で問いかける。だからついてこない方がいいよって言ったのに。

その後はもうお兄ちゃんと凛月の言い争いになって、気がついたら登校時間になっていた。


凛月のことは、彼を探しに来た衣更くんに任せて、わたしはとりあえずお風呂に入る。もう遅刻するのは確定なので、制服に着替えてから、お兄ちゃんと話し合うことになった。

昨日みたいに途中で喧嘩しないように、今日は朝木さんも同席して、一時間くらい話をした。わたしの気持ちがちゃんと伝わったのかはわからないけど、一か月だけ学校に通いたいことを説明すると、お兄ちゃんは渋々頷いてくれた。


でも本当はもう一つ、話し合わなきゃいけないことがあったんだけど。