その6


カードおろか、金もなく
当然街に出れば有名な人達だ。
腐女子所か、下手すればカメラも来るだろう。

そっくりさんとして。















「あのさ、あんたら4人働こうなんて思わない方いいよ?」


「あ?どういう事だよ。ってかよォ…
何かしら金の収入なきゃ生きていけねーだろ?」


「1つはこの本な。
この本どんだけ売られてると思ってんの?
あんたら4人がその辺歩いていれば大騒ぎになんだけど。
そんで、もう1つは価値観分かってんの?」


「価値観…と言うのは貨幣の価値の意味でしょうか?
そうですね…さすがに僕達のいた世界とか異なるとは思いますが…」


「お、おう…
ってか、その恰好からして外歩けないから。
コスと思われるしさ。
っても…」















考えると自分の小遣いなんてたかが知れている。
バイトだってしていない以上、この4人に養うおろか、服を用意する事も出来ない。
父親の服だって、若い人が着るような物でもない…











「こういう時こそ、都合のいいように金が恵まれるとか、カード使えるとか、服来るとか何かない訳?」


「その前から言ってますが、都合のいいとかそういうのは何なんでしょう?」


「あー…例えば今みたいに本からキャラが出てくるのを"パラレル"的な言い方すんだけど、そういうのを想定した本なんかがあんのよ。」


「まーた本かよ!
この世界ってよ、本ばっかなのな」


「いや、本来は"ネット"がメインではあるけど、まぁいいわ。
んでもって、今みたいな状況に陥った主人公は都合よく親が不在であったり、いなかったり、社会人だったり?
で、養ってやって一緒に暮しつつ〜の?
仲良くなり〜の?」


「聞くな」















三蔵は見るからに嫌気がさしている。
散々本やらゲームやらにお小遣いをつぎ込んでいるりかのサイフに札すら入っていなくて、彼らにユニ○ロの服さえもあしらえる事も出来なかった。















「まぁとりあえず、働けない、収入も金もない。住む場所もない。
お前らニート以上じゃんwww
マジ笑えんだけどwww
ワロス!テラワロス!!」


「…通じる言葉で言え。
金がねえならどうにかするしかねえだろうが」


「だってよー三蔵。
働けないって言うんじゃ無理じゃん!」


「あ?」


「まぁどうやら僕らは有名人のようですからね。
このままでは外には出れないのは…この本を見れば理解できますし」


「おすし。」


「"おすし"って何だよって、もう突っ込むのもメンドクセー!
あー、んじゃ何だよ。
外見偽ればいーって事じゃねーのか?」


「おい河童。
貴様が髪を切れば済む」


「まてまてまて!
何で俺限定なんだよ!このクソ坊主!!
だったらテメーが頭丸めて寺院に入りやがれ!!」


「あ?
下僕が何言ってやがる」


「うっほ!いい男!
じゃなくて、何この流れ!
マジで鼻血物なんですけどぉ?
いやもう録画してえし!
いい!マジ最高過ぎる!!hshshs!」


「…どうやらりかは興奮すると手に追えないようですね」


「ほっとけ。
とりあえず外見を変える方法を考えるぞ」
















現代のりかの言葉、そして発想が4人に理解される事もなく
深いため息の中
外見変貌についての作戦会議が開始された。











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