弐拾七



「ふぁあぁあぁァ
……あーー明け方のアレのせいで寝足りねぇーー」


「悟浄おはよう。
襟元痒いなら後ろ結んだら?
はいゴム紐貸すよ」


「おーーサンキュ」















そんな会話中、惷香がいない事で起きた三蔵がリビングへと入るなり、タバコに火を付け新聞を広げる。
















「おはよう悟浄。
悟空知りませんか?」


「あ?猿いねーの?」


「早朝トイレに立ったのは知っているんですけど、あのまま戻って来ていないみたいで」


「あ、そういえば外に出ていった音がしたけど悟空だったのかな」


「寝られなかったようだからな
その辺をほっつき歩いてんじゃねえのか」















そんな会話中
家を貸してくれたおばさんが笑顔で入って来た。














「あら、おはようございます〜〜
お連れのお坊っちゃんでしたら
朝一番でお出掛けになられましたよ」


「はァ?」


「どなたかに、伝えたい事があるとか……
朝ご飯までには戻るから伝えておいてくれと」


「チッ
あの馬鹿……」


「やっぱり昨日様子おかしかったし…
昨日ちゃんと話聞いておけば」


「お前のせいじゃない」


「丘の上ですか
…確かに昨日から何か考え込んでいたようでしたからね…」


「猿のくせに、無駄な脳ミソ使いやがって」













リビングには用意された朝食が並んだが、一向に悟空が戻らず…













「遅えな
悟空のヤツ」


「またぞろ鳥とでも遊んでるんじゃねえのか」


「いくら何でも遅くない?
ご飯に遅れるなんて…」


「やはり一人で行かせてしまったのが心配ですね」


「いくら妖怪っつったって、あんな草食系に悟空がヤられる事もねーだろ。
神隠しの犯人も捕まえた事だし?」


「でも…何か胸騒ぎがして…」


「そりゃ三蔵サマに揉んで貰えりゃ治んだろ」


「ぶつよ?」


「撃つぞ」


「何でテメェは決定事項で言うんだっつの!」







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