「……ま
正直俺達には関係のねぇ話だが
一宿一飯の礼だ
『どうして欲しいか』言ってみろ」















タバコを吸いながら、三蔵は住人達に声を掛けた。
玲ねえさんは妖怪に無理矢理に連れて行かれる所で…















「………
…助けてくれ
あの娘を助けてくれ…!!」















その1言で玲ねえさんを捕まえていた妖怪は悟浄の錫月杖で一気に肉の塊へと還った…。















「―――確かに…異国だろうが異文化だろうが
そこに在る物自体は大して変わらんな」


「クス…分かってたんでしょ?三蔵」


「ハッ
まァそれを言うなら俺達だって
何処行ったって変わんねェけどな」


「――おい、大変だ!!
さっきの妖怪が二人、橋の方へ逃げて行ったぞ!!」


「何だって!?」


「村の外から他の妖怪を連れて来られでもしたら……」


「その前に何とかしないと!!」


「――ジープ!!」














白竜だったジープは車へと変身し、5人は急ぎ乗り込む















「じゃ、元気でな!!
飯うまかったぜ!」


「…え?」


「僕ら この辺で失礼させて頂きますね」


「玲ねえさんを大切にしてあげてねタムロくん」


「逃げたネズミも踏み潰してやるよ
『ついで』だからな」













そしてそのまま三蔵一行は村から走り出した。
勿論目的は逃げた2人の妖怪へと一直線に





ジープを見た妖怪は慌てて跳ね橋のレバーを動かし、橋を上げ始めた。














「ははッ」


「これでもう追いつけねェだろ!!」


「ザマぁ!!」














だが三蔵の銃がレバーを撃ち、跳ね橋は途中で停止した。
そしてその隙に一気にジープは跳ね橋をジャンプし、そのまま…














「え」


「ちょ……」
















妖怪の上に 落ちた。














再び西へと向かう三蔵一行。


後部座席の悟空と悟浄は玲ねえさんが歌っていた歌を何度も何度も歌っている














「……うるせぇ…」


「いやあ耳に残っちゃいますよねぇ」


「〜〜〜うるせェっつってんだろうが!!!」















スパーーーーン!!















「あだッ!!
いーじゃんかよ歌うくらい!!」


「ちょ…何で私も殴るの!?」


「並んでるからだッ」


「何よそれ!!」


「だったら膝に来い!」


「変わらねェつーか コレもうワンパターンだってのッ」


「あははは
ワンパターンも貫き通せば
それが僕らの『スタイル』ですよ」


「早く来いと言ってるだろーがッ」


「やッ…急に引っ張っ…」


「エロ坊主!!他所でやれ他所で!!」












NEXT Western Regions.

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